ヒューマンエラーが減らない原因と対策

ヒューマンエラーとは、作業や判断の際に生じる、意図しない過誤です。書類の入力ミスやメールの誤送信、作業手順の確認漏れなど、さまざまな職場で発生します。
こうしたミスは、本人の不注意だけが原因とは限りません。疲労や睡眠不足、情報共有の不足、複雑な作業手順なども関係します。小さなミスでも、再作業による生産性の低下や顧客とのトラブル、場合によっては労働災害につながるため、企業には個人の注意力だけに頼らない対策が求められます。

この記事では、ヒューマンエラーの種類や発生する原因、企業にもたらすリスクを整理し、ヒヤリハットの共有や作業手順の見直しなど、職場で取り組むべき防止策について解説します。

ヒューマンエラーとは?意味と主な種類

ヒューマンエラーとは、作業や判断の際に、意図しない結果を引き起こす人間の行為を指します。書類の入力ミスやメールの誤送信、作業手順の確認漏れなど、さまざまな職場で発生します。
ヒューマンエラーは、本人が十分に注意していても起こり得ます。仕事に慣れた従業員でも、操作を誤ったり、必要な確認を忘れたりするため、個人の注意力だけで完全に防ぐことはできません。
また、ミスが発生するまでの経緯も一つではありません。正しい方法を理解していたのに操作を誤る場合もあれば、最初の判断そのものが誤っている場合もあります。

企業がヒューマンエラーを防ぐには、ミスの内容だけでなく、どの段階で問題が生じたのかを把握することが重要です。

ヒューマンエラーの定義

厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」では、ヒューマンエラーを「意図しない結果を生じる人間の行為」と定義しています。
仕事を進めるうえで必要な作業が正しく行われず、想定していなかった結果につながることを指します。
具体的には、取引先に送る書類の金額を誤って入力したり、確認すべき項目を見落としたりするケースが該当します。

ただし、ヒューマンエラーが起きたからといって、必ずしも本人の不注意だけが原因とは限りません。
作業手順が複雑だったり、似た名称のファイルが複数保存されていたりすると、誰が担当しても同じミスを起こす可能性があります。
また、疲労や睡眠不足、十分な情報が共有されていないことなども、ヒューマンエラーの発生に関係します。
そのため、企業はミスをした従業員を注意するだけでなく、作業環境や業務の進め方に問題がなかったかを確認する必要があります。

ヒューマンエラーの3つの種類

ヒューマンエラーの代表的な分類には、「スリップ」「ラプス」「ミステイク」の3つがあります。
それぞれミスが発生する段階が異なります。

スリップ:操作や動作を誤る
スリップとは、正しい作業方法を理解しているにもかかわらず、実際の操作や動作を誤ってしまうことです。
取引先にメールを送る際、正しい宛先を把握していたのに、名前の似た別の担当者を選んで送信してしまうケースが該当します。
また、製造現場で、押すべきボタンの隣にある別のボタンを押してしまうケースもスリップの一例です。
何をすべきかは理解していたものの、実際の操作が意図したとおりにできなかった状態を指します。

ラプス:予定していた作業を忘れる
ラプスとは、記憶に関するミスを指します。必要な作業を行うつもりだったのに、忘れてしまうケースです。
取引先に資料を送る際、メールにファイルを添付するつもりだったのに、ほかの仕事に気を取られ、添付を忘れたまま送信してしまうケースが該当します。
また、会議の前に資料を配布する予定だったのに、別の業務に対応しているうちに忘れてしまうケースもラプスの一例です。
スリップが操作や動作のミスであるのに対し、ラプスは記憶に関するミスという違いがあります。

ミステイク:判断や計画を誤る
ミステイクとは、状況の判断や作業の計画そのものを誤ることです。

取引先の見積書を作成する際、担当者が「今回も前回と同じ契約条件だ」と思い込み、変更された単価を確認せずに金額を計算した場合が該当します。
このケースでは、計算や入力の操作ではなく、契約条件についての判断に問題がありました。
ミステイクは、本人が正しいと考えた判断や計画に従って行動した結果、ミスにつながる点がスリップやラプスと異なります。

ヒューマンエラーと不安全行動の違い

ヒューマンエラーと似た言葉に「不安全行動」があります。
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」では、不安全行動を、労働者本人や周囲の人の安全を損なうおそれがある行動を、意図的に取ることと説明しています。

ヒューマンエラーとの違いは、本人がその行動を意図していたかどうかです。
製造現場で、機械を停止させるつもりが誤って別のボタンを押してしまった場合は、ヒューマンエラーに該当します。
一方、機械を停止させる必要があると知っていながら、作業時間を短縮するために、停止させずに点検を行った場合は不安全行動に該当します。

ただし、不安全行動は、本人が事故を起こそうとしていることを意味するわけではありません。
「少しの時間だから大丈夫」「今まで事故が起きなかったから問題ない」と考え、危険性を軽く見て行動するケースも含まれます。
また、本人が意図的にルールを守らなかった場合でも、作業時間に余裕がない、ルールが現場の実態に合っていないなど、職場側に問題が潜んでいる可能性も考えられます。
 

厚生労働省は、操作ミスや作業忘れなど、意図しない結果を招く行為をヒューマンエラーとし、安全上のルールを知りながら、あえて守らない行為を不安全行動として区別しています。一方、国土交通省は、不安全行動も広い意味でのヒューマンエラーに含めて説明しています。

 
参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」/ヒューマンエラー
参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」/不安全行動

職場でヒューマンエラーが起こる原因

ヒューマンエラーが起こる原因は、従業員の不注意だけではありません。疲労や睡眠不足、情報共有の不足、複雑な作業手順など、職場のさまざまな問題が関係しています。
同じ仕事を何度も経験している従業員でも、体調が悪かったり、必要な情報が伝わっていなかったりすれば、操作や判断を誤る可能性があります。また、作業手順が複雑で確認する項目が多いと、慣れている人でもミスを起こすおそれがあります。

そのため、ヒューマンエラーが発生した際は、本人の行動だけでなく、当時の勤務状況や情報の伝達方法、作業環境なども確認することが重要です。

疲労・睡眠不足による注意力の低下

疲労や睡眠不足が続くと、注意力や判断力が低下し、ヒューマンエラーを引き起こす原因になります。
十分な睡眠を取れていない状態では、集中力を保てず、普段なら気づくようなミスを見落としてしまう可能性があります。
事務職であれば、書類の数字を誤って入力したり、確認すべき項目を見落としたりするケースが考えられます。また、製造現場では、作業中の注意力が低下することで、機械の操作ミスにつながるおそれもあります。

2025年に学術誌『睡眠と環境』に掲載された論文「眠気とヒューマンエラー」でも、睡眠不足などによって生じる眠気が、作業中のミスや事故に関係することが説明されています。
特に、長時間労働や深夜勤務が続いている従業員は、十分な休息を取れているか注意が必要です。
また、睡眠時間だけでなく、疲労がどの程度たまっているかも重要になります。仕事の負担が大きく、十分に疲れが取れない状態が続けば、業務中の集中力にも影響します。

情報共有不足と指示・伝達の行き違い

業務に必要な情報が正しく伝わっていないことも、ヒューマンエラーの原因になります。
特に、複数の部署や担当者が関わる仕事では、情報共有が不十分なまま作業を進めると、誤った判断や作業につながります。

営業担当者が取引先と納期の変更に合意したものの、その内容を製造部門に伝えていなかった場合を考えてみましょう。
製造部門は当初の納期に合わせて作業を進めるため、営業担当者が取引先と約束した日までに製品を納品できない可能性があります。

また、上司からの指示が曖昧な場合も注意が必要です。
「この資料を早めに修正してください」と伝えるだけでは、いつまでに、どの部分を修正すべきなのかが明確ではありません。
部下が指示を受けた範囲を誤って理解すれば、必要な修正が終わっていなかったり、変更する必要のない部分まで修正したりすることにつながります。

複雑な作業手順とミスを招く業務設計

作業手順が複雑だったり、業務で使うシステムが分かりづらかったりすることも、ヒューマンエラーの原因になります。
特に、確認する項目が多い仕事や、複数のシステムを使って同じ情報を入力する仕事では、作業の途中でミスが生じる可能性があります。

たとえば、請求書の金額を一つのシステムから別のシステムへ手作業で入力するといったケースでは、同じ数字を何度も入力する作業では、桁を誤ったり、入力する項目を取り違えたりするおそれがあります。入力後に金額を確認する仕組みがなければ、誤った情報がそのまま処理されてしまいます。
また、ファイル名が似ている資料が複数保存されていると、担当者が古い資料を最新版だと思い込んで使用するケースも考えられます。

2023年に学術誌『安全工学』に掲載された論文「作業手順書の制作と運用のあり方」でも、分かりづらい手順書や実際の作業に合っていない手順書が、誤解や事故につながる問題が指摘されています。
参考:安全工学会『安全工学』/作業手順書の制作と運用のあり方(2023年)
参考:日本睡眠環境学会『睡眠と環境』/眠気とヒューマンエラー(2025年)

ヒューマンエラーが企業にもたらすリスク

ヒューマンエラーは、仕事の効率を下げるだけでなく、顧客とのトラブルや労働災害を引き起こす原因にもなります。
書類の入力ミスや確認漏れであれば、内容を修正して再提出する必要が生じます。また、誤った情報を取引先に伝えたり、顧客情報を別の相手に送信したりすると、会社への信頼を損なうリスクもあります。
さらに、製造現場などで機械の操作を誤れば、従業員がけがをする重大な事故につながる危険性も考えられます。
企業は、ヒューマンエラーによってどのような被害が生じるのかを理解し、業務の内容に応じた対策を講じることが重要です。

手戻りや再作業による生産性の低下

ヒューマンエラーが発生すると、本来は必要のなかった確認や修正作業が増え、業務の生産性が低下する原因になります。

経理担当者が請求書の金額を誤って入力した場合、間違いに気づいた時点で内容を修正し、必要に応じて承認手続きや請求書の発行をやり直さなければなりません。
また、取引先に誤った書類を送っていれば、訂正版の作成や再送付、先方への説明など、新たな仕事も発生します。
このように、作業を前の段階に戻してやり直すことを「手戻り」といいます。

手戻りが増えると、担当者だけでなく、確認や承認を行う上司、関連部署の従業員にも負担がかかります。その結果、ほかの仕事に使える時間が減り、予定していた業務が遅れるおそれもあります。
特に、複数の部署が関わる仕事では、後の工程でミスが判明すると、それまでの作業をまとめてやり直す必要が生じます。

誤発注・誤送信などによる顧客トラブル

ヒューマンエラーによって、取引先や顧客に直接影響が及ぶ場合も考えられます。

営業担当者が商品の発注数量を誤って入力すると、取引先に必要以上の商品が届いたり、注文した数量が不足したりする原因になります。
その結果、返品や追加配送が必要となり、顧客に手間をかけるだけでなく、企業にも配送費用などの負担が生じます。

また、メールの誤送信にも注意が必要です。
顧客に送る予定だった見積書を別の会社に送信してしまうと、取引条件や価格など、本来は公開すべきでない情報が外部に伝わるおそれがあります。
特に、氏名や住所、連絡先などの個人情報を誤って第三者に送信した場合は、情報漏えいの問題にも発展します。

個人情報保護委員会の年次報告でも、書類の誤交付や誤送付など、ヒューマンエラーによる個人情報の漏えいが報告されています。
個人情報の漏えいが発生した場合、企業は事実関係や影響範囲を調査し、被害の拡大を防ぐ必要があります。事案の内容によっては、個人情報保護委員会への報告や本人への通知も義務付けられています。

機械の誤操作などによる労働災害

製造業や建設業など、機械や設備を扱う職場では、ヒューマンエラーが重大な労働災害につながる危険性があります。
機械の操作を誤ったり、周囲の作業状況を十分に確認せずに設備を動かしたりすると、従業員が機械にはさまれたり、巻き込まれたりする事故につながります。
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」では、プレス機の操作中に、作業員が意図せず起動用のフットスイッチを踏み、手を金型にはさまれて切断した労働災害が紹介されています。
この事例では、作業員の操作だけでなく、安全装置が設けられていなかったことなども、事故の発生要因として挙げられています。

つまり、操作ミスが事故につながるかどうかは、設備の安全対策や作業環境にも左右されます。
機械に安全装置が設けられていなければ、一度の操作ミスによって大きな被害が発生する可能性があります。
従業員が負傷した場合は、治療や休業が必要となるだけでなく、企業の生産活動が停止したり、設備の修理が必要になったりすることも考えられます。
さらに、事故の発生状況によっては、企業の安全管理体制が問われ、法的責任が生じる可能性もあります。

労働災害を防ぐには、従業員への注意喚起だけに頼らず、操作を誤っても事故につながらない設備や作業方法を整えることが重要です。
参考:個人情報保護委員会/令和7年度個人情報保護委員会年次報告(2026年)
参考:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」/プレスの金型に左手がはさまれ手首を切断した労働災害事例

企業が取り組むべきヒューマンエラー対策

ヒューマンエラーを防ぐには、従業員に注意を促すだけでなく、ミスが起きた原因を調べ、仕事の進め方や職場環境を見直すことが重要です。
どれほど経験豊富な従業員でも、操作を誤ったり、必要な確認を忘れたりする可能性があります。そのため、企業は人がミスをすることを前提に、間違いを防ぐ仕組みや、ミスが発生しても早い段階で発見できる仕組みを整える必要があります。
また、長時間労働や過度な業務負担によって疲労が蓄積している場合は、作業手順を見直すだけでは十分ではありません。従業員の勤務状況や健康状態にも目を向け、必要に応じて仕事量を調整することが大切です。

ヒヤリハットの共有と発生原因の分析

ヒューマンエラーを防ぐためには、実際に起きたミスだけでなく、事故やトラブルになる前に気づいた事例も集めることが重要です。
ヒヤリハットとは、事故には至らなかったものの、危険を感じたり、事故につながりそうになったりした出来事を指します。
厚生労働省も、ヒヤリハット活動を、職場の危険な要因を把握して労働災害の防止につなげる方法として紹介しています。

企業では、この考え方を事務作業や営業活動などにも応用できます。

ヒヤリハットを報告する仕組みを作る
まずは、従業員が気づいたミスやトラブルの予兆を、簡単に報告できる仕組みを整えましょう。
製造現場なら「機械の操作を間違えそうになった」、事務職なら「メールの宛先を間違えて選んだが、送信前に気づいた」といった事例が考えられます。

報告書には、次の項目を設けるとよいでしょう。

・いつ、どこで発生したか
・どのような作業をしていたか
・何を間違えそうになったか
・なぜ間違えそうになったと考えられるか
・事故やトラブルを防げた理由は何か

報告方法は、社内の共有フォームや簡単な報告シートなどで構いません。従業員が短時間で記入できるよう、必要な項目に絞ることが大切です。
また、報告した従業員を責めないことも重要です。ミスを報告すると叱責される職場では、従業員が問題を隠してしまうおそれがあります。

報告内容から原因を分析する
報告が集まったら、同じようなヒヤリハットが繰り返されていないかを確認しましょう。
メールの宛先を間違える事例が複数発生している場合は、担当者に注意を促すだけでなく、アドレス帳に似た名前が登録されていないか、送信前の確認方法に問題がないかを調べます。
また、ミスが発生した時間帯や作業内容を整理すると、特定の業務や状況に問題が集中していないか確認することができます。

対策を実施し、結果を共有する
原因が分かったら、改善策を決め、担当者と実施期限を明確にします。
対策を実施した後は、同じミスやヒヤリハットが減ったかを確認しましょう。
改善内容を部署内で共有すれば、ほかの従業員が同じミスを防ぐ際にも役立ちます。
重要なのは、報告書を集めることではなく、集まった情報を実際の業務改善につなげることです。

作業手順・確認方法・情報伝達の標準化

ヒューマンエラーを防ぐには、担当者によって仕事の進め方や確認方法が異なる状態を見直すことも重要です。
作業手順が統一されていないと、必要な確認を省略したり、担当者ごとに異なる判断をしたりする原因になります。
企業は、ミスが発生した場合の影響が大きい業務から、手順や確認方法を整えましょう。

作業手順を具体的に決める
まずは、現在の作業手順を確認し、どの段階で間違いが起きているのかを整理します。
請求書を発行する業務であれば、「金額を確認する」という曖昧な指示ではなく、何と照合するのかを明確にしましょう。

具体的には、次のように手順を定めます。

1. 受注データと請求書の取引先名を照合する
2. 契約書や発注書と単価・数量を照合する
3. 請求金額を確認する
4. 承認者が確認した後に請求書を発行する

このように、確認する資料と順番を決めておけば、担当者による作業のばらつきを減らすことができます。

ただし、手順を細かく決めすぎると、かえって作業が複雑になります。必要な確認を残しながら、重複した手順や不要な作業は整理しましょう。

チェックリストとシステムを活用する
確認漏れが繰り返される業務には、チェックリストを活用する方法も考えられます。
メールの送信前なら、宛先、添付ファイル、送信する資料の内容など、間違えると影響が大きい項目を確認します。
また、システム側で誤操作を防ぐ仕組みを設ける方法も有効です。
社外へのメール送信時に確認画面を表示する、入力必須項目が空欄の場合は次の処理に進めないようにするなど、担当者の注意力だけに頼らない仕組みを検討しましょう。

特に重要な業務では、入力した本人とは別の担当者が、元の資料と照合する方法も考えられます。
ただし、確認者を増やすだけでは十分ではありません。誰が何を確認するのかを明確にし、形式的なチェックにならないようにする必要があります。

情報を伝える方法を統一する
複数の部署が関わる仕事では、情報の伝達方法も統一しましょう。
口頭で変更内容を伝えるだけでは、聞き間違いや伝え忘れが生じる可能性があります。
納期や発注数量、契約条件などの重要な情報を変更する場合は、変更内容、変更理由、対応期限、担当者を記録し、関係者が確認できるようにします。

また、指示を受けた側が内容を確認し、必要に応じて認識の違いを修正することも大切です。
作業手順書については、一度作成して終わりではありません。業務の進め方や使用するシステムを変更した際は、手順書も更新し、従業員に変更内容を伝えましょう。

疲労・ストレスへの対策と職場環境の改善

作業手順や確認方法を整えていても、従業員が強い疲労やストレスを抱えている場合は、ヒューマンエラーが発生する可能性を考える必要があります。
睡眠不足や疲労は、注意力や判断力に影響します。そのため、長時間労働が続いている部署や、仕事が特定の従業員に集中している職場では、業務負担を見直すことも重要です。

労働時間と業務量を確認する
まずは、勤怠記録から従業員ごとの残業時間や休日出勤の状況を確認しましょう。
あわせて、ミスが発生した日時や担当業務を整理し、特定の時間帯や繁忙期に集中していないかを調べます。

ただし、残業時間が長い従業員にミスが多いというだけで、長時間労働が原因だと断定することはできません。
仕事の難易度や担当する案件数、作業環境なども確認する必要があります。

業務量が一部の従業員に集中している場合は、仕事の分担や納期を見直しましょう。休憩時間を確保できているか、業務の合間に十分な休息を取れているかも確認することが大切です。

管理職が部下の負担を把握する
従業員の疲労やストレスに気づくためには、管理職による日常的な業務管理も欠かせません。
部下にミスが増えた場合は、すぐに注意するのではなく、業務量が増えていないか、複数の仕事を同時に抱えていないかなどを確認しましょう。

また、本人から仕事の負担について相談があった場合は、優先順位の変更や担当業務の調整など、具体的な対応を検討します。
ただし、ミスが増えたことだけで健康状態を判断することはできません。心身の不調が疑われる場合は、本人の意向や個人情報の取扱いに配慮し、産業医などへの相談につなげましょう。

ストレスチェックの集団分析を活用する
職場全体の負担を把握する際には、ストレスチェックの集団分析も参考になります。

厚生労働省が示す「仕事のストレス判定図」では、部署ごとの仕事の量的負担、仕事のコントロール度、上司・同僚からの支援状況などを確認することができます。
担当者は、集団分析の結果と残業時間、業務量、ヒヤリハットの報告状況などを照らし合わせ、職場に改善すべき問題がないか検討しましょう。

仕事の量的負担が大きい部署では、納期や人員配置を見直す方法が考えられます。また、上司からの支援が不足している部署では、管理職との面談や相談体制の整備などを検討しましょう。
参考:ストレスチェッカー/ヒヤリ・ハットは事故の予兆?原因と対策
参考:厚生労働省「こころの耳」/職場環境改善ツール

 

ストレスチェッカーとは

「ストレスチェッカー」は、官公庁・上場企業・大学・医療機関などで利用されている国内最大級のストレスチェックツールです。
未受検者への自動リマインドや進捗確認、医師面接希望者の管理など、現場で必要な機能を標準搭載しています。
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ストレスチェックは、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場でも実施義務化が進むため、早めの準備が大切です。
導入や運用については、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

ヒューマンエラーとは、作業や判断の際に、意図しない結果を引き起こす人間の行為を指します。操作ミスや作業忘れ、判断ミスなどがあり、疲労や睡眠不足、情報共有の不足、複雑な作業手順などが発生の原因となります。

ヒューマンエラーを防ぐには、従業員に注意を促すだけでなく、ヒヤリハットの共有や作業手順の標準化、確認体制の整備など、企業全体で対策を進めることが重要です。

また、従業員の疲労やストレスにも目を向ける必要があります。ストレスチェックの集団分析では、部署ごとの仕事の負担や上司・同僚からの支援状況を確認できます。勤怠記録やヒヤリハットの報告とあわせて、職場環境を見直す際の参考にしましょう。

ストレスチェッカーは、官公庁・上場企業・医療機関などで採用されている国内最大級のストレスチェックツールです。自動リマインド、面接指導者管理、進捗確認機能を標準搭載し、2025年5月からは無料プランでも「プレゼンティーイズム(生産性低下)」の測定に対応しています。
ストレスチェックの導入方法や実施方法について、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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