「いいね疲れ」してない?原因と対処法

「いいね疲れ」とは、SNSの反応が気になりすぎて、「いいねをもらったから、返さなきゃ」「コメントには早く返信しなきゃ」と思い、SNSでのやり取りが義務のように感じられて疲れてしまっている状態です。夜遅くまで画面を見続けたりすれば、集中力や睡眠にも影響を及ぼすことがあります。

この記事では、いいね疲れが起こる背景と、仕事や生活への影響、SNSとほどよい距離を保つための具体的な方法をご紹介します。

「いいね疲れ」とは?

「いいね疲れ」とは、SNSに投稿したあとの反応が気になったり、「いいね」の数を他人と比べたり、「いいね返し」や返信を負担に感じたりして、SNSでのやり取りに疲れてしまう状態を指す言葉です。

SNSでは、投稿への反応が数字で表示されるため、「どれくらい反応があったか」が目に入ります。すると、「せっかく投稿したのだから反応がほしい」「思ったより『いいね』が少ない」「反応してもらったから、自分も返さなければ」と考え、投稿することよりも、その後の反応を気にする時間が増えていきます。
こうした負担は、国内の研究でも取り上げられています。

自分の「いいね」の数が気になる

SNSに投稿したあと、「何人がいいねしてくれたのだろう」「いつもより反応が少ない」と、何度も画面を確認してしまう人がいます。
気になるのは、数だけとは限りません。「いつも反応してくれる○○さんが、今回は、いいねをしてくれなかった」「投稿は見ているはずなのに、反応がない」と、特定の相手から反応がないことまで気になってしまうケースもあります。

すると、「何か気に障ることを書いたかな」「もう私に興味がないのかも」「嫌われたのかな」と、ひとつの反応をきっかけに、相手との関係まで悪く考えてしまいます。

他人の「いいね」の数と比べてしまう

SNSでは、友人や同僚の投稿についた「いいね」の数も自然と目に入ります。そのため、「自分は30件なのに、あの人は100件ついている」「似たような投稿なのに、自分の方は反応が少ない」と、数字を比べてしまう人もいます。

こうした比較が続くと、「あの人の方が、人気がある」「自分より評価されている」と感じ、投稿への反応の差を、自分自身への評価の差として受け取ってしまいます。単に「いいね」の数を見ていただけなのに、次第に人間関係や周囲からの評価まで気になり、気分が落ち込むことも少なくありません。

2024年に発表されたInstagramの「いいね」に関する研究でも、他人と比較する傾向が強い人では、親しい友人より自分の「いいね」が少ない場面を想定したとき、ネガティブな気分が高まる傾向が示されました。

「いいね返し」や返信が負担になる

SNSでは、「いいね」をもらった相手には自分も返さなければならない、コメントが届いたら早く返信しなければならない、プレシャーを感じる人もいます。交流を楽しむというより、反応を返すことが義務のようになってしまってです。

仕事を終えてSNSを開いたときも、「この人にはまだ返していない」「昨日の投稿にも反応しておいた方がいい」と、SNS上のやり取りが次々と気になってきます。返信が遅れることで、「感じが悪いと思われないか」「関係が悪くならないか」と不安になるケースも考えられます。
国内のSNS疲れに関する研究でも、「いいね」やコメントなどの反応を返さなければならないという義務感や、周囲から反応がないことへの不安が、SNS利用による負担の一つとして扱われています。
参考:日本パーソナリティ心理学会/Instagramの「いいね」数が投稿者の気分に与える影響の検討―社会的比較志向性に着目して
参考:京都女子大学/能動的・受動的SNS疲れと無気力感の関連について―SNS利用時間に着目して
参考:社会情報学会/SNS疲れを含むネット利用に関する研究

「いいね疲れ」が続くとどうなる?

「いいね疲れ」が続くと、スマホを閉じたあとも投稿への反応が気になり、気持ちの切り替えができなくなる人もいます。「いいね」が少ないと落ち込み、反応が増えると安心するといった状態が続けば、SNS上の数字に気分を左右される時間も増えていきます。
仕事中に通知を確認したり、投稿への反応が気になって何度もスマホを手に取ったりすれば、目の前の業務から意識が離れます。夜もSNSを見続ければ、就寝時刻が遅くなったり、布団に入ってからもスマホを確認したりと、睡眠にも影響が及びます。

気分が落ち込み、自分に自信をなくす

「いいね」の数やコメントなど、SNS上の反応を気にする状態が続くと、その日の気分まで反応の多さに左右されるようになります。
投稿への反応が多ければ安心する一方、思ったほど「いいね」がつかないと、「投稿がつまらなかったのかもしれない」「周囲からあまり関心を持たれていないのではないか」と考え、自分自身への評価まで下げてしまう人もいます。

こうした状態が続くと、SNS上の反応が、自分に自信を持つための基準になっていきます。仕事や日常生活では評価されていても、SNSで反応が少ないだけで「自分は評価されていない」と感じ、気分が落ち込んだり、自信を失ったりすることにつながります。
国内のSNS疲れに関する研究でも、SNS利用時間が長いグループでは、SNS疲れと無気力感との関連が強く、「劣等感」や「義務感」と無気力感との関係も示されています。SNS上の反応を気にし続ける負担は、その場だけの気分ではなく、意欲や自己評価にも関わると考えられています。

SNSが気になり、仕事に集中できない

「いいね」やコメントが気になる状態が続くと、仕事中でも「反応が増えているかもしれない」「誰かからコメントが来ているかもしれない」と考え、何度もスマホを確認するようになります。
さらに、仕事に戻っても、しばらくするとまたスマホが気になり、再びSNSを開いてしまいます。

コミュニケーションアプリの通知を対象とした実験でも、通知による作業の中断を減らしたグループでは、仕事のパフォーマンスが改善し、負担も軽くなったと報告されています。SNSの「いいね」を直接調べた研究ではありませんが、通知による中断が仕事の集中や作業効率に関わることを示す結果です。

スマホを見る時間が増え、睡眠にも影響する

「いいね」やコメントが気になる状態が続くと、寝る前にも「その後、いいねは増えたか」「コメントが来ていないか」とスマホを手に取ってしまうケースも見られます。
反応を確認するためにSNSを開いたつもりでも、そのまま別の投稿や動画を見続け、就寝時刻が遅くなるケースもあります。
国内の研究では、スマートフォンを「使わずにはいられない」と感じるような使用傾向と、不眠傾向や精神的健康との関連が報告されています。また、就寝前の電子機器の使用を制限した研究では、起床時の眠気や疲労感などの睡眠感が改善したとされています。
参考:Journal of Occupational Health/Effects of task interruptions caused by notifications from communication applications on strain and performance
参考:学校心理学研究/パッションがスマートフォン依存,精神的健康,不眠傾向に与える影響

「いいね疲れ」を減らすには?

「いいね疲れ」を感じたときは、SNSを完全にやめるのではなく、自分がどの場面で負担を感じているのかを整理するところから始めます。通知が来るたびに反応を確認しているのか、「いいね」の数で自分の評価まで決めているのか、それともSNS以外の疲れが重なっているのかによって、見直すポイントは変わります。

まずはSNSを見る回数を減らし、「いいね」を確認する時間を自分で決めます。あわせて、SNS上の数字と自分自身の価値を切り離して考えることも大切です。それでも疲れや気分の落ち込みが続く場合は、仕事や人間関係、睡眠など、SNS以外のストレスにも目を向けてみましょう。

通知を切り、SNSを見る時間を決める

「いいね疲れ」を減らすには、まずSNSを開くきっかけを減らします。投稿への反応が気になる人は、「いいね」やコメントの通知が届くたびにスマホを確認し、そのままSNSを見続けてしまうためです。

最初に、「いいね」「コメント」「おすすめ投稿」など、すぐに確認する必要のない通知については、オフにします。DMなど必要な通知だけ残し、投稿への反応を知らせる通知を切り分けます。

次に、SNSを見る時間を具体的に決めます。「なるべく見ない」ではなく、「昼休みに10分」「仕事が終わったあとに15分」など、時間帯と長さを決めます。確認する時間を決めておけば、仕事の途中で「いいねが増えたか」と何度も開く必要がなくなります。

それでも無意識にアプリを開いてしまう場合は、SNSのアイコンをホーム画面から外す、端末の利用時間制限機能を設定する、仕事中はスマホを机の上に置かないといった方法も検討します。SNSを見るまでに一手間入れることで、反射的にアプリを開く回数を抑えることができます。

通知による作業の中断を減らした実験でも、仕事のパフォーマンスの改善や負担の軽減が報告されています。SNSを完全にやめるのではなく、「通知が来たら見る」状態から「自分で決めた時間に見る」状態へ変えることが、具体的な対策になります。

「いいね」の数と自分の価値を分けて考える

「いいね」が少ないと、「投稿がつまらなかった」「自分は周囲から評価されていない」と考えてしまう人もいます。そんなときは、「いいね」の数と自分自身の評価をいったん分けて考えます。

まず、「確認できる事実」と「そこから自分が考えたこと」を分けます。たとえば、「今回の投稿には20件の『いいね』がついた」は事実です。一方、「20件しかつかなかったから、自分は人気がない」は、その数字をもとにした自分の勝手な解釈です。
次に、「いいね」の数が変わる要因を考えます。投稿した時間、フォロワー数、投稿内容、その時間帯にSNSを見ていた人の数などによって、反応は変わります。投稿を読んでも「いいね」を押さない人もいるため、数字だけで周囲からの評価を判断することはできません。

ストレスを振り返る

「いいね」が以前より気になると感じたら、SNSだけを見るのではなく、最近の仕事や生活も振り返ってみましょう。仕事の忙しさや人間関係、睡眠不足などが重なり、気持ちに余裕がない時期にSNSの反応まで気になっている可能性も考えられます。

まず、直近1週間ほどを振り返り、「仕事」「人間関係」「睡眠」「SNS」の4つに分けて書き出します。たとえば、「残業が続いた」「上司とのやり取りで気を使った」「睡眠時間が短かった」「寝る前に何度もいいねを確認した」といった具合です。

次に、SNSの反応が特に気になった日と、その日の仕事や生活を照らし合わせます。「仕事で失敗した日に、いつも以上にいいねの数を確認していた」「寝不足の日は、コメントへの反応が気になった」など、重なっている出来事がないか確認します。

さらに、「疲れている」「イライラする」「気分が落ち込む」「仕事が終わっても頭から離れない」といった心身の変化も一緒に書いておくと、自分がどこで負担を感じているのか整理することができます。

会社でストレスチェックを実施しているなら、受検結果も振り返りに活用することができます。
ストレスチェックとは、仕事上のストレス要因や心身の反応、周囲からの支援などを確認し、自分のストレスに気づくための制度です。
参考:Journal of Occupational Health/Effects of task interruptions caused by notifications from communication applications on strain and performance

 

ストレスチェッカーとは

「ストレスチェッカー」は、官公庁・上場企業・大学・医療機関などで利用されている国内最大級のストレスチェックツールです。
未受検者への自動リマインドや進捗確認、医師面接希望者の管理など、現場で必要な機能を標準搭載しています。
また、無料プランやWEB代行プランでも、体調不良や心理的負担による生産性低下である「プレゼンティーイズム」の測定が可能です。
ストレスチェックは、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場でも実施義務化が進むため、早めの準備が大切です。
導入や運用については、ぜひお気軽にご相談ください。

ストレスチェック導入のご相談はこちら

 

まとめ

「いいね疲れ」とは、SNSの反応を気にし続けることで、気分や仕事への集中、睡眠にまで負担が広がる状態です。自分の投稿への反応だけでなく、他人との比較や「いいね返し」「返信しなければ」という義務感が重なると、SNSを見ること自体が疲れにつながります。
負担を減らすには、通知を切ってSNSを見る時間を決める、「いいね」の数と自分の価値を分けて考える、最近の仕事や生活を振り返るといった方法が有効です。
また、SNSの反応が以前より気になるときは、「いいね疲れ」だけに原因を求めず、仕事量、人間関係、睡眠不足など、ほかのストレスが重なっていないかも確認してみましょう。会社でストレスチェックを実施している場合は、自分の状態を振り返る機会として受けておくことも大切です。

ストレスチェッカーは、官公庁・上場企業・医療機関などで採用されている国内最大級のストレスチェックツールです。自動リマインド、面接指導者管理、進捗確認機能を標準搭載し、2025年5月からは無料プランでも「プレゼンティーイズム(生産性低下)」の測定に対応しています。
ストレスチェックの導入方法や実施方法について、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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