リテンションマネジメントとは?活用法は?

リテンションマネジメントとは、社員の離職を防ぎ、人材が長く働き続け、組織の中で力を発揮できる状態をつくるための取り組みです。

リテンションマネジメントでは、キャリア支援、評価・報酬、職場環境、コミュニケーションなどを総合的に見直し、社員が「この会社で働き続けたい」と思える仕組みづくりが求められます。
この記事では、リテンションマネジメントの考え方や具体的な施策、進め方を解説します。

リテンションマネジメントとは

リテンションマネジメントとは、人材が長く働き続け、組織の中で力を発揮できる状態をつくる考え方です。
採用後のフォロー、キャリア支援、評価・報酬、職場環境、上司との関係などを人事施策として整え、定着を仕組み化していきます。

人材定着を仕組み化する考え方

リテンションマネジメントは、単に「退職しそうな社員に面談する」「上司が声をかける」といった場当たり的な対応ではなく、どの部署でも、誰がマネージャーでも、社員が安心して働き続けられる状態をつくることが目的としています。
そのためには、エンゲージメントや不満の変化を把握するサーベイ、定期的な1on1、納得感のある評価制度、キャリア支援、柔軟な働き方などを組み合わせる必要があります。
社員の不安や負担を早めに見つけ、成長や報酬につながる道筋を示し、ライフステージが変わっても働き続けられる環境を用意することで、人材定着を一部の上司の力量に依存しない仕組みを構築します。

リテンションマネジメントと離職防止との違い

リテンションマネジメントと離職防止の違いは、目的の視点とアプローチにあります。
離職防止は、退職の兆候がある社員に対して面談や配置転換、処遇改善などを行い、離職を防ぐための対策という意味合いが強いものです。
一方、リテンションマネジメントは、社員が辞めたいと感じる前から、会社に残って活躍できる状態をつくる考え方です。キャリア支援、評価・報酬の納得感、上司との対話、働き方の柔軟性などを整え、社員の意欲や成長実感を高めていきます。

つまり、離職防止が「辞めさせないための対策」だとすれば、リテンションマネジメントは「この会社で働き続けたい」と思える環境をつくるための、より前向きで継続的な人事戦略です。

項目 離職防止
(守りの対策)
リテンションマネジメント
(攻めの戦略)
主な目的 離職率の低下。退職する人の数を減らすことを重視します。 エンゲージメントの向上。社員が意欲を持って活躍できる状態を増やします。
目指すゴール 会社を辞めずに残ること。まずは在籍を維持することが中心です。 会社に残り、成果を出すこと。定着だけでなく、活躍まで見据えます。
対象者 不満を抱えている人や、退職の兆候が見られる人が中心です。 今後も会社を引っ張ってほしい人材や、長く活躍してほしい社員が対象です。
アプローチ 受動的・対処療法的な対応。退職リスクが出てから面談や異動、給与交渉などを行います。 能動的・予防的な対応。日頃からキャリア支援や1on1、評価制度の見直しなどを行います。
スタンス 不満や不安など、マイナス要素を消すことに重点を置きます。 成長実感や働きがいなど、プラス要素を生み出すことに重点を置きます。

リテンションマネジメントの施策

リテンションマネジメントでは、複数の施策を組み合わせて従業員が働き続けられる環境を整えます。キャリア支援では、将来の成長イメージや社内で選べる職務・キャリアの選択肢を示します。評価・報酬制度では、成果や貢献だけでなく、評価基準や決定過程を明確にし、公平性と納得感を高めることが大切です。
また、職場環境の改善やコミュニケーションの見直しを通じて、上司や同僚に相談できる関係を整えます。柔軟な働き方や休暇制度を利用しやすくすることも、仕事と生活の両立を支え、ライフステージが変化しても働き続けられる職場づくりにつながります。

キャリア支援

リテンションマネジメントにおけるキャリア支援は、社員が「この会社で働き続ければ、自分の成長や将来につながる」と感じられる状態をつくる施策です。単に研修を用意するだけでなく、社員が自分の意思でキャリアを選べる環境を整えることが大切です。

キャリアの選択肢を広げる
社内公募制度や社内FA制度を導入すると、社員は会社に残ったまま新しい仕事や部署に挑戦できます。また、社内副業や他部署プロジェクトへの参加を認めることで、今の職場にいながら新しい経験を積むこともできます。

学びと成長を支援する
オンライン学習サービス、外部セミナー、資格取得支援、自己啓発補助などを用意すれば、社員の「学びたい」「成長したい」という意欲を後押しできます。年次や年代に応じたキャリア研修を行い、自分の今後を考える機会をつくることも有効です。

将来の道筋を見える化する
管理職だけでなく、専門職として成長できるコースを用意すると、多様な働き方に対応できます。キャリア面談や外部メンターとの相談機会を設けることで、社員が中長期の目標を描けるようになります。キャリア支援の本質は、会社が一方的にレールを敷くことではなく、社員が自分で選び、挑戦できる仕組みを整えることです。

評価・報酬の見直し

リテンションマネジメントにおける評価・報酬の見直しは、社員が「自分の成果や貢献がきちんと見られている」と感じるための重要な施策です。給与を上げるだけではなく、評価の理由が分かること、努力や貢献が納得できる形で還元されることが、定着につながります。

報酬を適切に還元する
市場水準に合わせた基本給の見直し、成果に応じたインセンティブ、プロジェクト完了時のスポット賞与などを整えることで、金銭面の不満を減らせます。また、ピアボーナスのように社員同士が感謝や貢献を伝え合う仕組みを入れると、数字に表れにくい支援や協力を評価できるようになります。

評価の納得感を高める
昇給や昇格に必要な基準を明確にし、社員が「何をすれば評価されるのか」を理解できる状態にすることが大切です。上司だけでなく、同僚や部下からの意見も取り入れる多面評価を活用すれば、評価の偏りを抑えることにもつながります。

タイムリーに評価する
半年や1年に一度の評価だけでは、成果と報酬のつながりを感じづらい場合があります。四半期ごとの振り返りや、プロジェクト単位での表彰を取り入れることで、社員の意欲を維持しやすくなります。評価・報酬の見直しでは、金額だけでなく、プロセスの透明性と納得感を高めることが欠かせません。

職場環境の改善

リテンションマネジメントにおける職場環境の改善は、社員が無理なく働き続けられる土台を整える施策です。
どれだけ仕事内容にやりがいがあっても、長時間労働が続いたり、育児や介護との両立ができなかったり、業務ツールが使いにくかったりすると、社員は徐々に疲弊していきます。職場環境を整えることは、不本意な離職を防ぎ、社員が安心して力を発揮するために欠かせません。

柔軟な働き方を整える
リモートワーク、フレックスタイム制、短時間勤務、週休3日制などを用意することで、社員はライフスタイルや家庭の事情に合わせて働き方を選べます。結婚、育児、介護、転居などで生活環境が変わっても、働き続ける選択肢を残せる点が重要です。

心身の健康を支える
過重労働を防ぐ仕組みや、外部カウンセラーに相談できる窓口、健康診断やフィットネス補助などを整えることで、社員の心身の負担を軽減できます。疲れや不安を放置しない環境は、燃え尽きや突然の離職を防ぐことにもつながります。

日々のストレスを減らす
使いやすい業務ツール、快適なオフィス、集中できる作業スペースなども、定着には大切です。小さな不便が積み重なると、働く意欲にも影響します。職場環境の改善では、社員が「この会社は自分の働き方や生活を考えてくれている」と感じられる状態をつくることがポイントです。

コミュニケーション強化

リテンションマネジメントにおけるコミュニケーション強化は、社員の孤立を防ぎ、組織への信頼感や帰属意識を高めるための施策です。
制度や報酬を整えても、上司に相談できない、同僚とのつながりが薄い、経営層の考えが見えないといった状態が続くと、社員は会社との距離を感じやすくなります。日常的な対話の場をつくり、安心して意見を言える関係性を育てることが大切です。

上司と部下の対話を増やす
定期的な1on1は、業務報告だけでなく、本人の悩みや体調、今後の希望を聞く場として活用できます。ただし、上司が一方的に話すだけでは意味がありません。傾聴やコーチングの研修を行い、部下の本音を引き出せる管理職を育てることも重要です。

横や斜めのつながりをつくる
メンター制度やブラザーシスター制度を取り入れると、新入社員や中途入社者が直属の上司以外にも相談できる相手を持てます。また、シャッフルランチや社内コミュニティ、部署を超えた交流会などは、普段関わらない社員同士のつながりを生み、孤独感を減らすきっかけになります。

全社の一体感を高める
タウンホールミーティングなどで経営層が会社の方向性を伝え、社員の質問に答える機会をつくると、現場との距離を縮められます。コミュニケーション強化は、社員が「この組織の一員でいたい」と感じる土台づくりにつながります。

リテンションマネジメントの進め方

リテンションマネジメントを進めるには、まず離職率や退職理由、部署ごとの人員状況、社員アンケートなどから現状を把握することが大切です。
そのうえで、若手、中堅、管理職、専門職など、特に定着を支援したい対象者を明確にします。次に、キャリア支援、評価制度、職場環境、コミュニケーション施策などを組み合わせて設計し、人事だけでなく現場の管理職にも目的を共有します。施策は導入して終わりではなく、面談結果やサーベイ、離職率の変化を見ながら効果を見直し、継続的に改善していくことが重要です。

現状を把握する

リテンションマネジメントを進めるうえで最初に必要なのは、いきなり施策を始めることではなく、自社の現状を正しく把握することです。他社で効果があった制度をそのまま導入しても、離職の原因や社員の不満とズレていれば、思ったような成果にはつながりません。まずは、自社のどこで、誰に、どのような課題が起きているのかを見える形にすることが大切です。

数字で傾向を把握する
離職率は全社平均だけで見るのではなく、部署別、職種別、年次別に分けて確認します。入社半年以内の離職が多いのか、3~5年目の中堅層が辞めているのかによって、必要な対策は変わります。

社員の声から原因を探る
退職時面談やエンゲージメントサーベイを通じて、社員が何に不満や不安を感じているのかを確認します。直属の上司には言いにくい本音もあるため、人事や第三者が聞く場をつくることも有効です。

課題を具体化する
集めたデータをもとに、「どの層が、何に不満を持ち、なぜ離職につながっているのか」を整理します。現状を正しく把握できて初めて、ターゲットの設定や施策設計が現実的なものになります。

対象者を明確にする

リテンションマネジメントでは、全社員に同じ施策を一律に行うのではなく、まず「誰に対して重点的に支援するのか」を明確にすることが大切です。現状把握で離職率や退職理由、社員の声を確認したら、その結果をもとに、優先して定着を支えたい層を絞り込みます。対象者があいまいなまま施策を進めると、制度は増えても本当に必要な人に届かないことがあります。

層ごとに分けて考える
対象者は、年次、職種、役割、ライフステージなどで分けて整理します。たとえば、新卒3年目までの若手層、30代の中堅リーダー層、育児や介護と仕事を両立している社員、ITエンジニアや営業職など、抱えている課題はそれぞれ異なります。

重要な人材を見極める
組織の成果を支えるハイパフォーマー、将来の管理職候補、採用や育成に時間がかかる専門職などは、特に離職の影響が大きい人材です。経営や事業に与えるインパクトも踏まえて、優先順位をつける必要があります。

対象者のニーズを整理する
若手なら成長機会や人間関係、中堅層なら裁量やキャリアの見通し、専門職なら報酬水準や働き方の自由度など、求めるものは変わります。対象者を明確にすることで、次に行う施策設計がブレにくくなり、効果の高いリテンションマネジメントにつながります。

施策を設計する

現状を把握し、対象者を明確にしたら、次は具体的な施策を設計します。リテンションマネジメントでは、流行している制度をそのまま導入するのではなく、自社の課題と対象者のニーズに合った施策を選ぶことが大切です。

課題と施策を結びつける
施策は、離職の原因を裏返して考えます。
たとえば、若手社員が成長実感を持てずに離職しているなら、社内公募制度やリスキリング支援などのキャリア施策が有効です。評価への不満が強い場合は、評価基準の明確化や報酬制度の見直しが必要になります。育児や介護との両立が課題なら、フレックスタイム制や時間単位有給など、柔軟な働き方を整えることが考えられます。

短期施策と長期施策を分ける
すべてを一度に変えようとすると、予算や社内調整で止まりがちです。まずは、1on1の運用見直しやサンクスカードの導入など、短期間で始められる施策から着手します。一方で、給与体系の改定や新しい勤務制度の導入などは、経営層の承認や就業規則の変更が必要になるため、長期施策として計画的に進めます。

実行する役割を決める
リテンションマネジメントは、人事だけで完結するものではありません。人事は制度設計、ガイドライン作成、予算確保を担い、現場の管理職は日々の声かけや1on1、制度利用の後押しを担います。役割を明確にしておくことで、施策が形だけで終わらず、現場に届く取り組みになります。

現場に浸透させる

施策を設計したら、次に必要なのは現場へしっかり浸透させることです。リテンションマネジメントは、人事が制度を作っただけでは機能しません。社員や管理職が制度の目的を理解し、実際に使える状態になって初めて効果が出ます。せっかく1on1やキャリア支援、柔軟な勤務制度を用意しても、現場で使われなければ形だけの施策になってしまいます。

管理職を巻き込む
社員の定着に大きく関わるのは、日々接点を持つ直属の上司です。そのため、管理職には「なぜこの施策を行うのか」「離職が現場にどのような影響を与えるのか」をていねいに共有する必要があります。1on1を導入する場合も、ただ実施を求めるだけでなく、傾聴やコーチングの研修を行い、部下の本音を引き出せる状態をつくることが大切です。

制度の目的を伝える
新しい制度を始めるときは、社員に向けて背景や使い方をわかりやすく伝えます。「会社として長く活躍してほしい」というメッセージを人事や経営層から発信することで、社員は制度を前向きに受け止めるようになります。特に社内公募や柔軟な働き方の制度は、「本当に使ってよいのか」という不安をなくす説明が欠かせません。

小さく始めて広げる
いきなり全社で完璧に運用しようとすると、現場の負担が増え、反発が起きることもあります。まずは協力的な部署や課題が大きい部署でテスト運用し、使いにくい点や現場の声を拾いながら改善します。

効果を見直す

リテンションマネジメントは、施策を導入して終わりではありません。現場に浸透させた後は、狙った効果が出ているのかを定期的に見直し、必要に応じて改善していくことが大切です。組織の状況や社員の価値観は変わるため、一度うまくいった施策でも、時間が経つと合わなくなることがあります。形だけの制度にしないためにも、数字と社員の声の両方から確認する必要があります。

数字で効果を確認する
まずは、離職率、エンゲージメントスコア、制度の利用率などを確認します。全社平均だけでなく、若手社員、管理職、専門職、エンジニア職など、対象者ごとに見ることが重要です。たとえば、社内公募制度を導入しても応募者が少ない場合は、制度が知られていないのか、上司に遠慮して使えない雰囲気があるのかを見極める必要があります。

社員の声を拾う
年に一度の大きな調査だけでは、現場の変化をつかむのが遅れることがあります。月次や数か月ごとの簡単なパルスサーベイ、1on1、面談などを通じて、業務量、上司との関係、制度の使いやすさなどを確認します。施策そのものが現場の負担になっていないかも見るべきポイントです。

施策を改善し続ける
効果が出ている施策は継続し、効果が薄い施策は原因を整理して見直します。リテンションマネジメントは、現状把握、対象者の明確化、施策設計、現場への浸透、効果の見直しを繰り返すことで機能します。小さく改善を重ねる姿勢が、人材定着を一時的な対策ではなく、組織の仕組みとして根づかせるポイントです。

リテンションマネジメントの注意点

リテンションマネジメントを進める際は、福利厚生だけに頼らないことが大切です。手当や休暇制度を増やしても、評価への不満、上司との関係、成長機会の不足が残っていれば、社員の定着にはつながりません。
また、退職を申し出た社員を引き止める対応だけに偏ると、根本的な職場課題を見落としてしまいます。重要なのは、社員が辞めたいと感じる前から、働き続けたいと思える環境を整えることです。そのためには、人事だけでなく現場管理職を巻き込み、日々の対話や業務量の調整、成長支援を継続していく必要があります。

福利厚生だけに頼らない

リテンションマネジメントを進める際は、福利厚生だけに頼らないことが大切です。家賃補助や休暇制度、オフィス環境の整備などは、社員の不満を減らすうえでは有効です。
しかし、それだけで「この会社で成長したい」「長く働き続けたい」という前向きな意欲が生まれるとは限りません。福利厚生は、不満を抑える土台にはなりますが、働く意味や成長実感、評価への納得感まで補えるものではないからです。むしろ、制度が手厚いだけで仕事への意欲が低い社員が残り、組織全体の活力が下がる可能性もあります。

また、金銭的な福利厚生は他社にも真似されやすく、より良い条件を提示されれば人材流出を防ぎきれません。重要なのは、福利厚生で働きやすさを整えつつ、キャリア支援、適切な評価、上司との対話、職場環境の改善を組み合わせ、社員が「ここで働く理由」を持てる状態をつくることです。

全社一律の施策で終わらせない

すべての社員に同じ制度や支援を用意すると、一見公平に見えますが、実際には課題を抱えている層に十分届かないことがあります。

たとえば、若手社員には成長機会や相談体制が必要でも、中堅社員には裁量や評価への納得感、専門職には市場価値に見合った報酬や柔軟な働き方が求められる場合があります。対象者ごとに課題が違う以上、施策も分けて考える必要があります。
ただし、ハイパフォーマーや特定職種だけを優遇しているように見えると、周囲に不公平感が生まれるため注意が必要です。大切なのは、「なぜその層にその施策が必要なのか」を人事が説明できる状態にすることです。評価基準や対象条件を明確にし、組織全体の納得感を保ちながら、必要な人に必要な支援を届けることが、リテンションマネジメントの効果を高めます。

「去る者追わず」の視点も忘れない

リテンションマネジメントでは、「去る者追わず」の視点も忘れないことが大切です。すべての離職を悪いものと捉え、100%引き止めようとすると、組織の新陳代謝が止まり、必要以上にコストや労力がかかってしまいます。もちろん、不満や職場環境の問題による離職は防ぐべきですが、本人の前向きなキャリアアップや新しい挑戦による退職まで無理に引き止める必要はありません。むしろ、気持ちよく送り出し、退職後も良好な関係を保つことが大切です。アルムナイネットワークを整えておけば、将来のビジネスパートナーや再入社の候補者としてつながる可能性もあります。
参考:アルムナイとは?注目される理由と活用法

現場管理職を巻き込む

リテンションマネジメントを進めるうえで、現場管理職を巻き込むことは非常に重要です。人事がどれだけ良い制度を設計しても、社員が日々接しているのは直属の上司や現場のリーダーです。上司との関係、評価への納得感、相談のしやすさ、業務量の調整などは、現場のマネジメントに大きく左右されます。

管理職に目的を共有する
1on1やキャリア面談を導入しても、管理職が「人事から仕事を増やされた」と感じてしまうと、形だけの運用になりがちです。人事は、離職が現場の業績や人員配置、育成負担にどのような影響を与えるのかを伝え、管理職自身の課題として捉えてもらう必要があります。

管理職のスキルを支援する
管理職に任せるだけでは、1on1が進捗確認や説教の場になってしまうこともあります。部下の本音を引き出す傾聴やコーチングの研修、面談シートや質問例の整備など、人事側のサポートが欠かせません。

管理職自身の負担にも配慮する
部下の定着支援を求めすぎると、管理職自身が疲弊してしまうことがあります。売上や成果だけでなく、部下の育成やチームづくりも評価する仕組みを整え、管理職が相談できる場も用意することが大切です。現場管理職を支えることが、結果的に社員全体の定着につながります。

ストレスチェックの活用方法

リテンションマネジメントでは、社員の離職理由や不満を感覚だけで判断しないことが大切です。ストレスチェックの集団分析を活用すると、部署ごとの仕事量、心理的な負担感、上司や同僚からの支援状況などを把握できます。
組織単位で傾向を見ることで、負担が集中している部署や相談しにくい職場を見つけることもできます。その結果をもとに、業務分担の見直し、管理職への支援、面談体制の改善などにつなげれば、社員が安心して働き続けられる職場づくりに役立ちます。

部署ごとの負担感を把握する

リテンションマネジメントにおいて、ストレスチェックは職場環境改善につなげるための材料として活用できます。個人の不調を確認するだけでなく、集団分析を通じて部署ごとの仕事量、心理的負担、上司や同僚からの支援状況を把握することで、離職につながる職場の課題を早めに見つけることができます。

職場のリスクを見える化する
ストレスチェックの結果を見ると、仕事の量的負担が高い部署、周囲のサポートが不足している部署、裁量が少なくストレスを感じている部署などを把握できます。感覚ではなく数値で確認できるため、人事が優先して対応すべき職場を判断できます。

原因に合わせて施策を考える
仕事量の負担が大きい場合は、業務の棚卸しや人員配置の見直し、DXツールの導入などが考えられます。上司や同僚のサポートが低い場合は、1on1の整備や管理職研修、メンター制度などが有効です。裁量の低さが課題なら、権限委譲や働き方の自由度を高める施策も検討できます。

現場を巻き込んで改善する
結果を人事だけで判断するのではなく、管理職やメンバーと共有し、職場環境改善のワークショップにつなげることも大切です。現場の声をもとにアクションプランを作ることで、実行しやすく、定着にもつながる改善策になります。

 

ストレスチェッカーとは

「ストレスチェッカー」は、官公庁・上場企業・大学・医療機関などで利用されている国内最大級のストレスチェックツールです。
未受検者への自動リマインドや進捗確認、医師面接希望者の管理など、現場で必要な機能を標準搭載しています。
また、無料プランやWEB代行プランでも、体調不良や心理的負担による生産性低下である「プレゼンティーイズム」の測定が可能です。
ストレスチェックは、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場でも実施義務化が進むため、早めの準備が大切です。
導入や運用については、ぜひお気軽にご相談ください。

ストレスチェック導入のご相談はこちら

 

まとめ

リテンションマネジメントとは、従業員の離職を防ぎ、長く働き続けられる環境を整えるための人材管理です。キャリア支援、評価・報酬の見直し、上司との関係改善、柔軟な働き方などを組み合わせ、定着を支えます。

ストレスチェックでは、個人の結果だけでなく、集団分析から仕事量、裁量、上司・同僚の支援状況などを確認できます。負担の大きい部署では、業務配分や相談体制、評価方法を見直し、改善後も結果を継続的に確認することで、離職につながる職場要因の早期発見と改善に活用できます。

ストレスチェックとは、従業員のストレス状態を把握し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的とした制度です。現在は従業員50人以上の事業場で義務化されていますが、2028年4月1日からは、50人未満の企業にも対象が拡大されます。
ストレスチェックを活用すれば、部署ごとの負荷や心理的な傾向を可視化でき、早めの相談体制づくりや業務改善につなげられます。失敗を責めるのではなく、学びながら前に進む職場づくりにも役立ちます。
ストレスチェッカーは、官公庁・上場企業・医療機関などで採用されている国内最大級のストレスチェックツールです。自動リマインド、面接指導者管理、進捗確認機能を標準搭載し、2025年5月からは無料プランでも「プレゼンティーイズム(生産性低下)」の測定に対応しております。
導入方法や実施方法など、お気軽にお問合せください。

    あわせて読みたい

    >ストレスチェックサービスおすすめ22選

    >ジョハリの窓とは?分かりやすく解説

    >マイクロアグレッションとは?

    >メンタルタフネスとは?高める方法は?

    >アクティブレストとは?効果は?

    >ソーシャル・ジェットラグとは?

    >マインドワンダリングとは?産業医監修

    >自己承認力とは?高める方法は?

    >リアリティショックとは?対策は?

    >ジョブ・クラフティングとは?産業医 監修

    >どうにでもなれ効果とは?ストレスとの関係は?

    >リバースメンターとは?世代間ギャップ対策

    >役割葛藤とは?対処法は?

    >隠れ疲労とは?症状とメカニズムを解説

    >職場における「心のブレーキ」対策

    >気分が落ち込む原因と対処法

    >インポスター症候群とは?公認心理師 監修

    >入社後ギャップとは?原因と対処法を解説

    >職場の人間関係に疲れたら読むコラム

    >ポモドーロ・テクニックとは?効果は?