ストレスチェック面談|人事担当者がすべきこと

ストレスチェックは、自身のストレスに関する気づきの機会を持ち、高ストレスの状態にある労働者に対して医師の面接指導を受けてもらい、必要な範囲で就業上の措置(時間外労働の制限、作業の転換など)を講じて、メンタルヘルス不調を未然に防止することを目的としています。

この記事では、ストレスチェック後の面談(面接指導)について、用意するべき資料や面談場所の選定ポイント、外部機関に面談を依頼する際の注意点などについてご紹介します。

ストレスチェックの面談(面接指導)

事業者は、ストレスチェック制度の結果高ストレス者として選定され、医師等の実施者が面接指導を受ける必要があると判断した労働者について、その労働者の申し出に応じて医師による面接指導を実施します。

(1)厚労省指針の面接指導のポイント

まずは、ストレスチェックの面接指導に関する厚生労働省の指針のポイントを知っておきましょう。

※以下、厚生労働省指針より面接指導の実施方法等による箇所を抜粋

面接指導の実施方法等

(1)面接指導の対象労働者の要件
規則第52条の15の規定に基づき、事業者は、により高ストレス者として選定された者であって、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた者に対して、労働者からの申出に応じて医師による面接指導を実施しなければならない。

(2)対象労働者の要件の確認方法
事業者は、労働者から面接指導の申出があったときは、当該労働者が面接指導の対象となる者かどうかを確認するため、当該労働者からストレスチェック結果を提出させる方法のほか、実施者に当該労働者の要件への該当の有無を確認する方法によることができるものとする。

(3)実施方法
面接指導を実施する医師は、規則第52条の17の規定に基づき、面接指導において次に掲げる事項について確認するものとする。

①当該労働者の勤務の状況(職場における当該労働者の心理的な負担の原因及び職場における他の労働者による当該労働者への支援の状況を含む。)
②当該労働者の心理的な負担の状況
③②のほか、当該労働者の心身の状況

なお、事業者は、当該労働者の勤務の状況及び職場環境等を勘案した適切な面接指導が行われるよう、あらかじめ、面接指導を実施する医師に対して当該労働者に関する労働時間、労働密度、深夜業の回数及び時間数、作業態様並びに作業負荷の状況等の勤務の状況並びに職場環境等に関する情報を提供するものとする。

(4)面接指導の結果についての医師からの意見の聴取
法第66条の10第5項の規定に基づき、事業者が医師から必要な措置についての意見を聴くに当たっては、面接指導実施後遅滞なく、就業上の措置の必要性の有無及び講ずべき措置の内容その他の必要な措置に関する意見を聴くものとする。

▶厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」

①事業者が面接指導の対象労働者を確認する
事業者は、面接指導の申し出があったら当該労働者からストレスチェックの結果を提出させるか、実施者に当該労働者が要件に該当するかを判断させ、確認します。基本的には、当該労働者からストレスチェックの結果を提出させる方が望ましいでしょう。

②実施者が面接指導の申し出の勧奨を行う
労働者には、なるべく面接指導を申し出るよう、医師等の実施者が申し出の勧奨を行います。

③労働者からの面接指導の申し出は書面やメール
労働者が面接指導を希望する旨の申し出は、書面やメール等で行います。事業者はその記録を5年間保存します。この申し出は遅滞なく行うと記載されていますが、この「遅滞なく」はおおむね1カ月以内とされています。

④面接指導を実施する
面接指導は、労働者の申し出があってからおおむね1カ月以内に行います。

⑤面接指導は、産業医等が行う
面接指導を実施する医師は、事業場の産業医等が推奨されています。必ずしも精神科医や心療内科医が担当する必要はありません。

⑥面接指導実施前の情報収集
ストレスチェックの実施者は、人事担当者や労働者本人から必要な情報を収集します。

⑦医師からの意見聴取
面接指導後は、遅滞なく医師から意見聴取を行い、就業上の措置の必要性の有無などについて意見を聴きます。
必要がある場合には労働者の実情を考慮したうえで、就業場所の変更などを行います。

(2)面談で用意するべき書類

ストレスチェックの面接指導において、人事担当者は医師が事業場の状況を把握するための資料を準備しなければなりません。

①ストレスチェックの結果
実施者に当該労働者が要件に該当するかを判断させ確認する方法もありますが、基本的には、当該労働者に通知・送付されたストレスチェックの結果を本人から提出させる方が望ましいでしょう。

②直近3カ月の出勤簿
面接指導対象者の出退勤記録を用意します。

③社内異動歴
入社してから現在に至るまでの異動歴や保有資格、賞罰が記載された書類があるといいでしょう。業務内容が大幅に変わる異動や転勤は、精神障害の労災認定基準でも中程度の負担となりますし、高ストレスの原因になることがあるからです。
できれば、生年月日、現住所、家族構成まで分かるとよいでしょう。

④健診結果票
直近の定期健康診断の結果票です。これは当該労働者の心身の状況を知るために必要となります。

⑤報告書・意見書
厚生労働省のストレスチェック実施マニュアルに記載されている、報告書・意見書を用意します。

※報告書・意見書は、以下からダウンロードすることができます。
▶厚生労働省「時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成マニュアル」

なお、個々の職場の状況に応じて必要な書類は異なりますので、事前に面接指導を担当する医師等に事業の状況を知らせるための資料として、何が必要か聞いておくことをおすすめします。

(3)面談場所は慎重に検討する

面接指導を行う場所は、慎重に検討すべきです。
秘密が厳守されるよう配慮し、周囲の目を気にせずにリラックスして受けることができる場所を選ぶようにします。外部機関に委託する場合にも、業務に支障が出ないように事業場からあまり遠くない場所を選ぶとよいでしょう。

(4)外部機関に面談を依頼する際の注意点

面接指導を外部機関に委託する場合、面接指導には健康保険がきかないので面接指導について費用がかかります。報酬、面接時間帯、場所などについて業務委託契約を締結することが必要です。

ストレスチェッカーでは、ストレスチェック実施後、高ストレス者の希望者に医師面接を受けていただけるサービスを1人1回50,000円(税込55,000円)で提供しております。面接の結果は報告書とし提出させていただきます。

▶ストレスチェッカー「オプションサービス」

(5)医師からの意見聴取

面接指導後は、医師から遅滞なく意見聴取を行います。この「遅滞なく」とは、おおむね1カ月以内を意味しますが、早ければ早いほどよいでしょう。
時間をかけていたら、そのタイムラグで発病してしまうこともあるからです。

この時、労働者本人が面接指導の結果を事業者に伝えることを拒む場合があります。面接指導に関する医師の意見は、必要な情報に限定すれば本人の同意なく事業者に伝えることができますが、後のトラブルを避けるためにも事前に本人にその旨を説明し了解を得たうえで、意見聴取を行うのが望ましいでしょう。

面接指導を外部に委託した際には報告書を受けることになりますが、不明点などがあれば、その内容はリスク管理のためにかならず記録しておくようにしてください。

(6)就業上の措置の決定

就業上の措置とは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数減少などの措置が考えられます。人事担当者は医師の意見を衛生委員会に報告し、適切な措置を講じます。
人事担当者は直接の業務命令権をもっていないため、この調整業務はなかなか難しいものです。したがって就業上の措置をどのように検討し決定するのかについては、あらかじめ社内で取り決めをしておくことをおすすめします。

(7)管理職への説明は慎重に

人事担当者は、ラインの管理監督者とのコミュニケーションを深めることが不可欠です。就業上の措置は、労働者本人にとっても事業者にとっても大きな負担となる可能性があるからです。また、労働者は就業上の措置による評価を気にするものです。したがって、労働者にはもちろん管理監督者にも、不利益な取り扱い(評価に影響を与えるなど)をすることがないよう、十分に説明し説得する必要があります。

労働者本人の同意が得られれば、人事担当者、管理監督者、産業医で打ち合わせを行なうのもおすすめです。就業上の措置の目的や内容、必要性について管理監督者の理解を得られるように説明するのは、人事担当者より専門家である産業医の方が適任の場合もあるからです。

(8)就業上の措置の解除

就業上の措置を講じた結果、ストレス状態に改善が見られた場合には、産業医等の意見をふまえて通常勤務に戻すなどの措置を講じます。
スムーズな職場復帰を支援するためには、必要な情報収集と評価を行ったうえで、職場復帰を支援するための具体的なプランを作成します。

▶ストレスチェッカー「職場復帰支援5つのステップと5つのポイント」

まとめ

以上、ストレスチェックの面談(面接指導)で、人事担当者が知っておきたいポイントについてご紹介しました。
労働者から面接指導の申し出があった時には、事業者は面接指導を実施しなければなりません。人事担当者は、スムーズに面接指導が実施されるよう必要な資料を準備し、面接指導の場所を検討し、必要に応じて産業医や管理監督者らと就業上の措置を講じなければなりません。
直接の業務命令権を持っていない人事担当者にとっては、この調整業務が負担になることもありますが、産業医やストレスチェックの実施者等と連携しながら労働者本人に負担にならないよう勧めて行く必要があります。

ストレスチェック制度の実施や面接指導の進め方、就業上の措置などについて不明点等ある場合には、下記からお問合せください。

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