
ソーシャルハラスメントとは、SNSを利用して行われる嫌がらせや、不快感を与える行為全般を指します。休日の投稿を職場で話題にされる、写真を無断で投稿されるなど行為者に悪気がないケースもありますが、受ける側にとっては大きなストレスになることがあります。
この記事では、ソーシャルハラスメントの意味や具体例、個人と企業ができる対策を分かりやすく解説します。
目次
ソーシャルハラスメントとは
ソーシャルハラスメント(ソーハラ)とは、SNS(X、Instagram、Facebook、LINEなど)を利用して行われる、嫌がらせ行為全般を指します。上司からのフォロー申請や「いいね」の強要など、一見たわいもないコミュニケーションに見える行為でも、受け取る側が不快だと感じればハラスメントに該当する場合があります。
また、上司と部下などの力関係を利用し、相手が拒否しにくい状況をつくっている場合は、厚生労働省の指針におけるパワハラの「個の侵害」にあたる可能性があります。
ソーハラとも呼ばれるSNS上のハラスメント
ソーハラ(ソーシャルハラスメント)とは、SNS上で行われる嫌がらせや不快な行為を指します。職場では、上司が部下に友達申請やフォローを求めたり、投稿を監視して私生活に踏み込んだりするケースが問題になりがちです。
部下は仕事への影響を気にして拒否しづらく、公私の境界が曖昧になることで負担を感じます。アカウントの特定、反応の強要、SNSにアップされた休日の行動への詮索なども、ソーハラにあたる可能性があります。
プライベートへの介入や強要が問題になりやすい
本来、休日の過ごし方や趣味、交友関係は個人の自由な領域です。しかし、上司や同僚からSNSを通じて監視されたり、投稿への反応や深夜の返信を求められたりすると、休息すべき時間まで職場の延長になってしまいます。
特に上下関係がある場合、本人は「嫌です」と断りにくく、実質的な強制になることもあります。
なお、SNSやメッセージアプリが関係した裁判例として、東京地裁平成28年11月16日判決があります。この事案では、休日のLINE返信の強要や、Facebook投稿をきっかけにした私生活への干渉などが問題となりました。
裁判所は、人格や尊厳を傷つける言動を含め、業務上の指導の範囲を超えるパワーハラスメントにあたると判断しています。
ソーシャルハラスメントにあたる行為
SNSアカウントの開示要求、投稿への「いいね」やコメント、職場のグループチャットへの参加を強要する行為なども、ソーシャルハラスメントに該当する可能性があります。
さらに、休日の行動をSNSで確認する、過去の投稿を掘り起こして職場で話題にする、飲み会や社内イベントの写真を同意なく投稿・タグ付けすることも注意が必要です。
アカウントの開示要求や友達申請の強要
上司や先輩から「業務連絡で使うから」「みんな教えているから」と個人のLINE IDやSNSアカウントを求められるケースがあります。上下関係があると、本人は断りたくても評価や人間関係への影響を考えて拒否できなくなります。職場の力関係を使って私的な領域に踏み込むため、パワハラの「個の侵害」として問題になる可能性があります。
いいね・コメント・グループ参加の強要
上司や先輩から「投稿にいいねしていない」「コメントしていない」と職場で責められたり、評価や協調性と結びつけて反応を求められたりすると、心理的負担になる可能性があります。また、休日の集まりや非公式なLINEグループに勝手に追加され、退会しにくい空気をつくられるケースもあります。
勤務時間外まで返信やスタンプを求められると、私生活が職場の延長になってしまい、休息の妨げになります。
休日の行動チェックや過去投稿の掘り起こし
本来、休日の過ごし方や趣味、交友関係、入社前の投稿は、会社とは切り離された私的な領域です。
しかし、上司や同僚から「週末、○○にいたんだね」「体調不良で休んだのに、料理はきちんと作れたんだね」などと詮索されると、本人は常に監視されているような負担を感じます。
また、昔の投稿や写真を掘り起こして職場で話題にしたり、人格評価に結びつけたりする行為も問題です。
同意のない写真投稿やタグ付け
同意のない写真投稿やタグ付けとは、たとえば職場の飲み会や社内イベントで撮影した写真を、本人の確認なくSNSに投稿するケースです。
顔写真、名前、勤務先、交友関係などが外部に公開されることで、プライバシーや肖像権の侵害につながるおそれがあります。
また、勝手にタグ付けされると、本人のアカウントや人間関係まで周囲に知られてしまうことがあります。職場の力関係があると「載せないでほしい」と言いにくいため、投稿前に必ず本人の同意を取ることが大切です。
ネット上での誹謗中傷や嫌がらせ
個人が特定できる形で悪口を書き込む、仕事のミスをSNS上でさらす、プライベートな情報や根拠のない噂を投稿する、といったケースや、職場のグループから意図的に外したり、別グループで陰口を言い合ったりする行為は、単なる嫌がらせ(ソーハラ)にとどまらず、厚生労働省の定義する「パワーハラスメント(パワハラ)」の類型に該当します。
ソーシャルハラスメントはなぜ問題か
ソーシャルハラスメントが問題になりやすいのは、行為者に悪気がないケースが多いからです。行為者の多くは「よかれと思って」「親睦を深めるため」という主観で行っているため、無自覚に被害を拡大させてしまいます。
行為者に悪気がないケースが多い
上司や先輩は「親睦を深めたい」「アットホームな職場にしたい」と思い、SNSでつながろうとすることがあります。しかし、受ける側にとってSNSは完全なプライベート空間です。職場の人間関係が入り込むだけで負担になることも考えられます。
上下関係があると断りにくい
SNSは本来プライベートな領域ですが、上司や先輩からLINE交換や友達申請を求められると、評価への影響や職場での関係悪化を気にして拒否できないことがあります。また、「みんなつながっている」「協調性がない」といった空気を出されると、本人の自由な判断が奪われてしまう可能性があります。
メンタルヘルスの不調につながる
SNSに上司や同僚が入り込むと、「いつ連絡が来るか分からない」「休日も見られている」と感じ、心が休めなくなります。
なかには、通知音を聞くだけで不安になる、SNSを楽しめなくなる、出勤前に頭痛や吐き気が出るなど、心身に反応が出るケースもあります。
また、断れない状態が続き、「嫌と言えない自分が悪い」と自分を責めてしまい、自己肯定感の低下にもつながるケースも見られます。
職場への不信感や離職リスクが高まる
SNSで監視されているような状態が続くと、職場でも安心して発言や相談ができなくなります。
特に若い世代は、公私の区別を重視する傾向があり、無理に会社と争うよりも、静かに距離を取り転職を選ぶケースもあります。企業にとっても、採用・教育コストの損失や評判低下、安全配慮義務違反のリスクにつながるため、軽く見てはいけない問題です。
ソーシャルハラスメントの事例
ソーシャルハラスメントの実際の事例としては、上司からの友達申請を断れず、プライベートの投稿まで見られるようになったケースや、休日の行動を職場で話題にされて精神的な負担を感じたケースがあります。
上司からの友達申請を断れなかったケース
都内の会社に勤務する20代の女性会社員Aさんは、Facebookで友人や地元の仲間と近況を共有していました。
ある日、同じ部署の40代男性上司から友達申請が届きます。Aさんはプライベートを見られることに抵抗がありましたが、職場での気まずさを避けるため承認しました。その後、投稿のたびに上司から「いいね」やコメントが付き、週明けには「土曜日、楽しそうだったね」などと職場で詮索されるようになります。
上司に悪気はありませんでしたが、Aさんは常に私生活を見られているような負担を感じ、ブロックもできず最終的にFacebookの利用をやめてしまいました。
休日の投稿を職場で話題にされたケース
若手男性社員のBさんは、職場の先輩に誘われて断りきれず、Instagramの個人アカウントを相互フォローしていました。
ある週末、友人と高級レストランへ行き、料理の写真をストーリーに投稿したところ、翌週の職場で先輩から「土曜日、フレンチ行ったよね」「誰と行ったの?」と、同僚の前で話題にされます。
先輩に悪気はありませんでしたが、Bさんは私生活を職場でさらされたように感じ、強い羞恥心を覚えました。その後、休日の行動を見られている感覚が消えずSNS投稿を控えるようになり、職場への不信感から退職を選びました。
飲み会写真を無断で投稿されたケース
30代女性のCさんは、職場の飲み会で部長から集合写真を撮られました。写真に写ることやネット公開には抵抗がありましたが、上司相手で断りにくく、その場では応じてしまいます。
ところがその日の深夜、部長は本人の同意を得ないままFacebookに写真を投稿し、Cさんをタグ付けしました。その結果、顔写真や本名、勤務先が外部から見える状態になり、友人からも連絡が届くようになりました。
ソーシャルハラスメントを防ぐために個人ができること
ソーシャルハラスメントを防ぐには、個人側でもSNSとの距離感を整理しておくことが大切です。
まず、投稿の公開範囲を見直し、職場関係者に見せる情報と、完全にプライベートにしたい情報を分けておきましょう。
必要に応じて、職場用と私用のアカウントを分けるのも有効です。また、勤務時間外の連絡に毎回すぐ反応していると、それが当然のように扱われることがありますので、自分自身に無理のない範囲で返信ルールを決めておくことも大切です。
SNSの公開範囲を見直す
SNSの設定を整えることは、相手を拒絶するためではなく、自分の私生活を守るための基本的なセルフケアです。
Instagramでは親しい友達リストや非公開設定を使い、職場の人に見せる投稿と、友人だけに見せたい投稿を分ける方法があります。
Facebookでも、投稿ごとに公開範囲を設定したり、過去の投稿の閲覧範囲を制限したりできます。
LINEについても、公開リストや「自分のみ」などを確認しておくと安心です。さらに、LINEのID検索をオフにしておけば、職場で突然IDを検索されるリスクも減らせます。
職場関係者用とプライベート用を分ける
ソーシャルハラスメントを防ぐ方法として、職場関係者用とプライベート用でSNSアカウントを分けることも有効です。
職場の人に聞かれた場合は、差し支えのない投稿だけを扱うアカウントを使い、休日の過ごし方や趣味、友人関係などは非公開の私用アカウントで管理します。
ただし、連絡先の同期やおすすめ表示によって、私用アカウントが職場の人に表示されることもあるため注意が必要です。電話番号や連絡先との連携をオフにし、職場名や会社の写真を載せないなど、特定されにくい設定にしておくと安心です。
勤務時間外の連絡にすぐ反応しない
勤務時間外の連絡にすぐ反応しないことも、ソーシャルハラスメントを防ぐうえで大切です。夜間や休日のメッセージに毎回すぐ返信していると、「この時間でも連絡してよい人」と受け取られてしまいます。
急ぎでない内容は翌営業日に返信する、勤務時間外は通知を切る、夜や休日はスマホを見ない時間をつくるなど、自分なりのルールを決めておくとよいでしょう。
写真投稿の可否は事前に確認する
ソーシャルハラスメントを防ぐには、自分が被害者にならないための対策だけでなく、自分が無意識に加害者にならない意識も大切です。特に注意したいのが、職場の飲み会や社内イベントで撮った写真の扱いです。場が盛り上がっていると、「みんな楽しそうだからSNSに載せても大丈夫だろう」と考えてしまいがちですが、写真に写ることと、ネット上に公開されることはまったく別です。
撮影同意と投稿同意は別物
その場で写真に写ってくれたとしても、SNSへの投稿まで了承したとは限りません。顔写真、勤務先、所属部署、交友関係、参加していた場所などが外部に伝わることで、本人が不快になることも考えられます。
また、一度ネット上に投稿された写真は、スクリーンショットなどで保存される可能性があり、完全に削除できないリスクもあります。軽い気持ちの投稿が、相手にとっては大きなプライバシー侵害になることもあります。
投稿前に明確に確認する
写真をSNSに載せたい場合は、「この写真をInstagramに載せても大丈夫ですか」「顔出しNGの人はいますか」など、投稿前に分かりやすい言葉で確認することが大切です。相手が少しでも迷っている様子を見せた場合は、投稿を控えるようにしましょう。
タグ付けや顔出しにも配慮する
本人の同意がないタグ付けは避けましょう。タグ付けによって、本人のアカウントや人間関係、勤務先が周囲に知られることがあります。大勢が写る写真では、顔にスタンプやモザイクを入れる、背景をぼかすなどの加工も有効です。
企業・人事ができるソーシャルハラスメント対策
企業・人事ができるソーシャルハラスメント対策として、まず必要なのはSNS利用ルールの明文化です。職場関係者への友達申請や私的な投稿への反応強要、無断投稿・タグ付けを禁止するなど、具体的な基準を示すことが大切です。
また、勤務時間外の連絡ルールを決め、緊急時以外はSNSやメッセージアプリで連絡しない運用も必要です。あわせて、相談窓口を整備し、管理職研修で「悪気のない関わり」がハラスメントになる可能性を伝えることも重要です。
SNS利用ルールの明文化
企業・人事がソーシャルハラスメントを防ぐうえで、まず取り組みたいのがSNS利用ルールの明文化です。ソーハラは、行為者に悪気がなく「親睦のつもり」「軽いコミュニケーションのつもり」で起こることも多いため、会社として何がNGなのかを具体的に示す必要があります。
SNS上のつながりに関するルール
個人のLINE IDやInstagram、Facebookなどのアカウント開示を求める行為や、友達申請・フォロー承認を迫る行為は禁止事項として明記します。断ったり保留にしたりしても、人事評価や業務上の扱いに影響しないこともあわせて伝えることが大切です。
連絡や反応の強要を防ぐルール
勤務時間外の私的な連絡や、深夜・休日の即レス要求も問題になりやすい部分です。また、上司の投稿への「いいね」やコメントを求めたり、反応がないことを職場で責めたりする行為もNGであることを明文化します。
写真投稿とタグ付けのルール
飲み会や社内イベントの写真をSNSに投稿する場合は、本人の同意を必ず取る運用にします。本名や所属が分かるタグ付けも、本人の了承なしに行わないことを示します。
勤務時間外連絡のルールづくり
企業・人事がソーシャルハラスメントを防ぐうえで、勤務時間外の連絡ルールづくりはとても重要です。深夜や休日に上司からメッセージが届くと、部下は「すぐ返信しないといけない」と感じ、休んでいる時間まで仕事の緊張が続いてしまいます。
時間外連絡は原則控える
「20時以降や休日の連絡は原則禁止」など、時間帯を具体的に決めておくと運用しやすくなります。個人のLINEではなく、SlackやTeamsなど会社指定のツールに統一することも大切です。
即レスを求めない
勤務時間外に届いた連絡については、翌営業日の返信でよいことを明文化します。返信しなかったことを理由に評価を下げたり、不機嫌な態度を取ったりする行為は、ハラスメントにつながる可能性があります。
緊急時の基準を決める
例外として時間外連絡を認める場合も、災害対応や重大な顧客トラブルなど、真に緊急性があるケースに限定します。曖昧にしてしまうと、何でも「緊急」とされ、ルールが形だけになってしまいます。
管理職の意識改革も必要
ルールを定着させるには、管理職研修も欠かせません。部下の休息時間を尊重することは、現代のマネジメントに必要な視点です。時間外に連絡しない職場づくりは、従業員のメンタルヘルスを守るだけでなく、安心して働ける組織づくりにもつながります。
写真投稿・タグ付けの同意ルール
職場の飲み会や社内イベントの写真は、軽い気持ちで投稿されがちですが、本人の顔、名前、勤務先、人間関係が外部に伝わるリスクがあります。
撮影同意と掲載同意は分ける
写真に写ったからといって、SNSや社内報への掲載まで同意したことにはなりません。会社として「撮影の同意」と「ネット掲載の同意」は別であると明確にし、投稿前に本人へ確認するルールを設ける必要があります。
ネット公開はすべて一律NGが最も有効
職場内での「ネット公開はすべて一律NG(原則禁止)」とするルール作りは、ソーシャルハラスメント(ソーハラ)や肖像権トラブルを未然に防ぐ上で、極めて現実的かつ強力な有効策になります。
上司から友達申請や写真投稿を求められても、個人のわがままではなく、会社の方針として断れます。
また、「仲が良いから大丈夫」と思い込んで写真を投稿したり、SNS上で過度に関わったりする無自覚な加害行為にもブレーキをかけられます。
さらに、写真の背景に社内資料やPC画面が写り込む情報漏洩リスク、SNS上での炎上、企業イメージの低下を防ぐ効果もあります。
相談窓口の整備
企業・人事がソーシャルハラスメントを防ぐには、相談窓口の整備が欠かせません。SNS利用ルールを作っても、従業員が安心して相談できる場所がなければ、被害は表に出にくいからです。
SNS上のトラブルも相談対象にする
相談窓口では、勤務時間外のLINE、SNSでの監視、友達申請の強要、無断投稿やタグ付けなども相談対象であることを明確に伝えます。
証拠を受け取れる体制を整える
ソーハラは、スクリーンショットやチャット履歴など、デジタル上の証拠が残りやすい問題です。窓口側は、相談者が無理なく証拠を提出できる流れを用意し、事実確認をスムーズに進められるようにしておきましょう。
秘密厳守と不利益取扱いの禁止
相談者が最も不安に感じるのは、「上司に知られたら不利になるのでは」という点です。相談内容の秘密を守ること、相談や調査協力を理由に冷遇しないことを明文化する必要があります。
外部窓口の活用も有効
社内窓口に相談しにくい場合に備え、外部の相談先を用意することも有効です。早い段階で相談を受け止める体制が、メンタル不調や離職の防止につながります。
管理職研修の実施
ソーハラは、上司や先輩が「親睦を深めたい」「よかれと思って」といった感覚で行っているケースも多く、本人に加害意識がないまま問題化することがあります。そのため、ルールを作るだけでなく、管理職自身に「どこからがハラスメントになるのか」を理解してもらう必要があります。
価値観の違いを理解する
管理職世代にとってSNSは気軽な交流の場でも、若い世代にとっては完全なプライベート空間であるケースが多々あります。友達申請や投稿への反応を求める行為が、部下には監視や圧力に感じられることを、事例を通して伝えることが大切です。
法的リスクを共有する
SNS上の行為でも、職場の上下関係が背景にあれば、パワハラの「個の侵害」にあたる可能性があります
ケーススタディで考える
「部下にLINE交換を求める」「休日に業務連絡を送る」「部下の投稿に毎回コメントする」など、身近な事例を使ってNGである行為を提示すると、理解が深まります。
適切な距離感を学ぶ
業務連絡は会社指定のツールに統一し、勤務時間外の連絡は控えるなど、デジタル時代に合ったマネジメントを身につけることが、安心して働ける職場づくりにつながります。
ストレスチェックの活用
ストレスチェックは、ソーシャルハラスメントそのものを直接見つけるための設問はありません。ただし、ソーハラによる負担は、上司との関係性、職場の対人関係、心理的な疲労、不安、不眠などの形で表れることがあります。
そのため、企業・人事はストレスチェックの結果を、職場で起きている見えにくい問題を把握する手がかりとして活用できます。
ストレス反応の変化を見る
ソーハラが続くと、「上司を信頼できない」「気軽に相談できない」といった対人関係の悪化につながることがあります。また、休日や夜間もSNSの通知を気にする状態が続けば、疲労感、不安感、睡眠不調などが強く出る場合もあります。こうした変化は、ストレスチェックの結果に間接的に表れる可能性があります。
部署ごとの傾向を確認する
集団分析では、特定の部署だけ高ストレス者の割合が高い、上司の支援に関するスコアが低い、といった傾向を確認できます。業務量に大きな差がないのに、精神的負担や疲労感が目立つ場合は、勤務時間外の連絡やSNS上の圧力がないかを疑う視点も必要です。
匿名アンケートやヒアリングにつなげる
気になる傾向が見られた場合は、ストレスチェックだけで判断せず、匿名アンケートやヒアリングを組み合わせることが大切です。SNSでの連絡頻度、休日のメッセージ、写真投稿、友達申請などについて確認することで、職場に潜むソーハラの芽を早めに把握することができます。
まとめ
ソーハラとは、ソーシャルハラスメントの略で、SNSやメッセージアプリを通じて相手に不快感や負担を与える行為を指します。職場では、上司が部下に友達申請やフォローを求めたり、投稿を監視して私生活に踏み込んだりするケースが問題になりやすいです。ストレスチェックでは、個人の負担だけでなく、部署ごとの集団分析を通じて、コミュニケーションの圧力や人間関係の偏りを把握する手がかりになります。結果をもとに、SNS利用のルールづくりや管理職研修に活かすことが大切です。
ストレスチェックは、従業員のストレス状態を把握し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的とした制度です。現在は従業員50人以上の事業場で義務化されていますが、今後は50人未満の企業にも対象が拡大される予定です。
ストレスチェックを活用すれば、部署ごとの負荷や心理的な傾向を可視化でき、早めの相談体制づくりや業務改善につなげられます。失敗を責めるのではなく、学びながら前に進む職場づくりにも役立ちます。
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