産業医とは|健康診断や面接指導を行う産業医の要件・役割

産業医とは、産業医の資格を有した医師のことをいいます。
労働者が健康で快適な作業環境のもと仕事を行うことができるよう、健康管理・指導・アドバイスなどを行います。

産業医とは

産業医とは、医療のプロとして会社の従業員の健康診断や面接指導を行う医師のことをいいます。

産業医の歴史は古く、もともとは第二次世界大戦前後の「工場医」がスタートだと言われています。その後、産業発展の時代変化とともに産業医が対応する疾病は変遷しており、高度経済成長期では有害業務による健康障害などについて企業内診療所で労働者の診療を行う産業医の役割が重視されました。バブル崩壊後は、過重労働やメンタル不調といった課題が顕在化し、精神科を専門とする産業医が増加しました。
さらに2010年以降は産業医の職務にストレスチェック及び高ストレス者に対する面接指導と結果に基づく措置等が追加され、産業医に対する情報提供の義務化など、その役割が強化されました。

産業医を選任した企業は、月80時間越えの労働者の労働時間に関する情報や健康管理上必要で提供を求められた情報を、産業医へ速やかに提供しなければなりません(安衛法13条4項)。また企業は産業医の勧告を受けた時には、その勧告内容と講じた措置内容を衛生委員会又は安全衛生委員会に遅滞なく報告しなければならないものとされました(安衛法13条6項)。

(1)産業医の職務内容

産業医の職務内容は、労働安全衛生規則第14条第1項に以下のように規定されています。

①健康診断の実施とその結果に基づく措置
②長時間労働者に対する面接指導・その結果に基づく措置
③ストレスチェックとストレスチェックにおける高ストレス者への面接指導その結果に基づく措置
④作業環境の維持管理
⑤作業管理
⑥上記以外の労働者の健康管理
⑦健康教育、健康相談、労働者の健康の保持増進のための措置
⑧衛生教育
⑨労働者の健康障害の原因の調査、再発防止のための措置

産業医は健康診断や面接指導を行い、医療のプロとして労働者の症状を評価して、健康を維持できるよう配慮し助言する立場にあります。また、休職中の従業員の復職について主治医と情報交換をしたり、必要な配慮や社内制度に基づいたアドバイスを実施したりします。

※診断や治療は主治医の役割で、産業医は診断、治療は行いません。

(2)産業医の要件


産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について、厚生労働省令で定める一定の要件を備えた者でなければならないと規定されています(労働安全衛生法第13条第2項)。具体的には、厚生労動大臣が定める産業医研修の修了者、あるいは大学において労働衛生を担当する教授といった要件を満たす必要があります。

つまり産業医は医師であることに加えて、労働者の健康管理等を行うための専門的知識を有しているなど、法律で定める一定の要件を備えた者である必要があります。

(3)産業医を選任しなければならない事業場とは

事業者は一定規模の事業場ごとに、医師のうちから産業医を選任して労働者の健康管理等を行わせなければなりません(安衛法13条1項)。

1. 常時50人以上3000人以下の労働者を使用する事業場…産業医を1名以上選任
2. 労働者が3001人以上の規模の事業場…産業医を2名以上の選任
3. 労働者を常時1000人(一定業務に常時500人)以上の規模の事業場…専属の産業医を選任

さらに産業医の選任や変更をする時には、所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

ストレスチェックにおける産業医


厚生労働省では、労働安全衛生法の改正に伴い産業医の職務に「ストレスチェックの実施」と「面接」を加える指針について、次のように発表しています。

産業医の職務に、「心理的な負担の程度を把握するための検査の実施並びに検査の結果に基づく面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること」が追加されました(労働安全衛生規則)。

(1)ストレスチェックにおける産業医の位置づけ

産業医は事業場における労働者の健康管理等の職務を行ない、そのための専門的知識を有する医師です。
そして会社は産業医に対して、労働者の健康障害を防止するために必要な措置を講じる権限を与えなければならないとされています。

こうしたことから、ストレスチェックの実施および面接指導の実施については、産業医が直接従事することが望ましいとされています。

※ただし、現実問題として産業医が直接従事することが難しい場合もあります。その場合には、弊社の有資格者がストレスチェックの実施者となり、法令に沿った内容で実施させていただきます。また、面接指導を行う医師の手配も承ります。

(2)ストレスチェックにおける産業医の役割

面接指導を実施した医師が産業医以外の者である時には、産業医からも面接指導を実施した医師の意見を踏まえた上で、就業上の措置等に関する意見を聞くことが望ましいとされています。

(3)ストレスチェックにおける産業医の活用方法

ストレスチェックの目的は、従業員のストレスの程度について各自の気づきをうながすことだけでなく、その結果を活用して職場環境の改善につなげることにもあります。

したがって産業医の意見を聞いたうえで、必要に応じて労働時間に制限を加えたり休養を勧めたりするだけでなく、その意見をもとに職場環境の改善につなげることが重要です。
職場環境の改善は、仕事の生産性向上も期待できます。

産業医は職場の安全を高め、従業員がより安心して業務を遂行できるよう対策を講じるだけでなく、「企業が成長するために労働者の健康管理をどのように実施していくのか」について重要な役割を有しており、そのためのアドバイスが求められています。

ストレスチェック結果を活用した快適な職場づくりをサポートするために、ストレスチェッカーでは集団分析のカスタマイズなど様々なオプションメニューをご用意しております。

まとめ

ストレスチェックを実施したとしても、そこから結果の活用となると、なかなか手がまわらないケースもあるでしょう。ストレスチェッカーでは、法令に沿ったストレスチェックを実施するためのサポートや、職場改善に活かすための集団分析のコンサルティング、さらには産業医のご紹介までトータルでサポートをさせていただくことが可能です。