承認欲求が強い人がうざいワケ

職場にいる「承認欲求が強くて、うざい人」…たとえば、会議で成果を強調したり、チャットで反応を気にしたりする姿に、正直うんざりした経験があるビジネスマンは少なくないはずです。承認欲求そのものは誰にでもある自然な感情です。ただ、その出方が職場という場に合っていないと周囲の疲労感やチームの停滞を招きます。
この記事では、「承認欲求が強い人がうざい」と感じられてしまう理由を、個人攻撃に終わらせず、職場の構造や人間関係の視点からご紹介します。

監修医師:近澤 徹
精神科医・日本医師会認定産業医
株式会社Medi Face代表取締役

「承認欲求が強い人」とは

職場で言われる「承認欲求が強い人」とは、周囲からの評価や注目を強く求め、褒められたい、認められたいという気持ちが人一倍強い人を指します。
自分の実績を語る場面が多かったり、自己アピールに熱心だったりする一方で、批判に敏感で失敗を認めにくい傾向も見られます。そのため、人間関係で摩擦が生じやすいこともありますが、成果や評価に強くこだわる分、仕事に対して高い集中力を発揮し結果を出す場面も少なくありません。

会議で「俺がやりました」連呼

職場で「承認欲求が強い人」と言われるタイプの代表例が、会議のたびに「俺がやりました」「私がやりました」と成果を連呼する人です。会議をチームの共有の場ではなく、自己評価を高める舞台と捉え、他者からの注目や称賛を何より重視します。
そのため、本来はチーム全体の成果として報告すべきことを自分の功績として語りがちです。他人を認めることが自分の評価低下につながると感じ、周囲の貢献を軽視したり、無意識に下げて見せたりすることもあります。

Slackで感謝スタンプ待ち

Slackなどのチャットツールで見られる「承認欲求が強い人」は、投稿内容そのものよりも、押されたスタンプや反応の数に強く意識が向きがちです。業務報告や提案のあと、「いいね」が付くかを何度も確認し、反応が薄いと不安や不満を抱きます。分報で細かな作業まで共有したり、忙しさや成果をやや大げさに伝えたりするのも、安心感を得たい気持ちの表れです。デジタルな「いいね」で自分の存在価値を測ろうとするため、周囲には承認待ちの圧を与えやすく、「またスタンプ待ちか」と煙たがられる原因になります。

他人の成功に過剰反応する

「承認欲求が強い人」は評価に敏感なため、同僚の昇進や成果に対して必要以上に反応し、内心では嫉妬しつつ表面上では過剰に持ち上げたり、自分事のように語ったりします。職場での評価に一喜一憂し、常に他人と自分を比べて優劣を意識します。注目を集めるため自慢話が増え、失敗は強い不安や責任転嫁につながりがちです。
その結果、周囲は気疲れしやすく、無意識のうちに配慮や遠慮を強いられる場面も増えていきます。

服装や持ち物の過剰アピール

服装や持ち物を通じて自分の価値を示そうとするタイプもいます。ロゴが目立つブランド品や高価なアクセサリーを日常的に身につけ、さりげなく価格や希少性を語るのも定番です。派手で目立つ服装を好み、会話の中では持ち物の格付けやマウンティングが始まります。
背景にあるのは、他人の評価に強く依存する心理です。自分で自分を認めきれないため「すごい」「センスいい」と言われることでしか安心できず、その必死さが周囲には“うざさ”として伝わってしまいます。

頻繁に自分を卑下して反応待ち

頻繁な自己卑下と反応待ちするケースもあります。
「自分なんて全然ダメで」と言いながら、本心では否定の言葉を待っています。背景には強い自己肯定感の低さがあり、不安を他人の言葉で埋めようとします。「そんなことないよ」と言われることで一時的に安心したいのです。一方でプライドは高く、「ダメな自分」を演じることで、実は評価されたいという矛盾も抱えています。

「承認欲求が強い人」がうざいワケ

承認欲求が強い人がうざい理由は、承認を求める行動そのものより、その“現れ方”にあります。SNSや職場、会議、チャットで成果や努力を過剰にアピールし、チームで出した成果なのに自分の手柄として前に出てしまえば、周囲は気を遣い続けることになります。本人は承認されない不安で必死なのですが、その必死さが他人のエネルギーを奪い、職場の温度を下げていってしまうのです。

SNS・職場・会議・チャットでの過剰アピール

「承認欲求が強い人がうざい」と感じられる大きな理由の一つが、SNSや職場、会議、チャットでの過剰な自己アピールです。SNSは他者評価を手軽に得られる場であり、ストーリーやライブ配信を頻繁に行い、「今の自分」を見せ続けようとします。投稿内容も充実した生活や自慢話、時には“病み投稿”で心配を誘うものになりがちです。
その延長線上で、職場のチャットでも頼まれていない進捗を細かく報告し、存在感を示そうとします。会議では目的より目立つことが優先され、自分の意見を強調し続けたり、チーム成果を個人の功績として語ったりする場面も少なくありません。こうした行動が積み重なることで、周囲は「また始まった」と感じ、静かに距離を取るようになります。

褒められないと不機嫌になる

「承認欲求が強い人がうざい」と感じられる理由の一つが、褒められないと露骨に不機嫌になる点です。周囲に自慢話をしたり、同僚を過度にライバル視したりして、人間関係をぎくしゃくさせる場面も少なくありません。評価されないと落ち込みやすく、仕事への意欲が一気に下がります。さらに、チーム全体の成果より自分の実績を優先し、「すごい」「いいね」といった反応を半ば強要するような振る舞いが続くと、周囲は気疲れしていきます。当の本人はその空気に気づきにくく、結果として職場に見えないストレスが蓄積していくのです。

チームワークより個人の成果優先

承認欲求が強い人は、チームワークより個人の成果を優先する傾向があります。チーム全体で出した結果であっても「自分がやった」と強調し、他人の功績まで自分の手柄のように語るため、周囲には不公平感が残ります。また、同僚を仲間ではなくライバルとして見がちで、協力よりも出し抜くことに意識が向き、職場の一体感が削がれていきます。会話も自分中心になりやすく、他人の意見に耳を傾けません。否定や指摘を受けると感情的に反応し、失敗時には責任転嫁に走ることもあります。

「すごい」「いいね」の強制

「承認欲求が強い人」は、「すごい」「いいね」を半ば強制することで、周囲の時間や感情を消費するからです。会話は自慢や成果報告に偏り、相手が称賛するまで終わらないため、聞き手は次第に疲弊します。また、自分の努力や苦労に共感を求め、反応が薄いと不満そうな態度を見せることで、場の空気を支配します。さらに他人の評価を脅威と捉え、無意識にマウンティングへと傾きがちです。称賛を求める行為が積み重なるほど、人間関係は対等さを失い、「付き合うだけで消耗する存在」として敬遠されていきます。

周囲の疲労に気づきにくい

「承認欲求が強い人」がうざい、疲れると感じられる最大の理由は、周囲の消耗に気づきにくい点にあります。称賛を求めるあまり、会話は自分の話や成果報告に偏り、相手が聞き役に回っていることに無自覚です。SNSや職場でも反応を当然のように期待し、「いいね」や共感が返ってくるまで空気を読みません。相手が忙しい、余裕がないといった状況を察する視点が欠け、自分の安心を優先するため、周囲は気を遣い続けることになります。この積み重ねが、「関わるだけで疲れる存在」という評価につながっていくのです。

「承認欲求=悪」ではない

「承認欲求=悪」というわけではありません。承認欲求は、誰にでも備わっている自然な感情であり、仕事の原動力になることも少なくありません。問題になるのは、その“強さ”そのものではなく、表に出る形です。
職場で「うざく見える」のは、成果共有が自己アピールに変わり、周囲への配慮が抜け落ちたときです。称賛を得ることが目的化し、チームや状況より自分の評価を優先すると、摩擦が生まれます。承認欲求はコントロール次第でプラスにもマイナスにも転ぶものだと言えるでしょう。

承認欲求は誰にでもある

「承認欲求=悪」ではありません。承認欲求は誰にでもある人間らしい感情で、「認められたい」「分かってほしい」という思いは、ごく自然なものです。子どもが「できたよ」と親に伝えるのと同じで、生きていくための健全なエネルギーでもあります。問題になるのは、その欲求が他者の反応だけに依存し、行動の軸が「評価されるかどうか」に偏ったときです。大切なのは、承認欲求そのものを否定することではなく、自分で自分を認める視点や、周囲への貢献に目を向けてバランスを取ることです。

問題は「強さ」ではなく現れ方

承認欲求が「悪」と見なされる理由は、その強さそのものではありません。問題になるのは、満たし方や行動への出し方が他者を巻き込み、不健全な形で表に出たときです。たとえば、他人の評価に耐えられず嫉妬したり、過剰な自己アピールで注目を集めようとしたり、他者の反応に一喜一憂して感情が振り回される状態は、他者依存・搾取型の出方と言えます。
一方で、同じ承認欲求でも、自分の成長や成果への原動力に変え、自分で自分を認め、他者を尊重しながら循環させられれば強みにもなります。違いを分けるのは「欲求の有無」ではなく、「現れ方」です。

職場で“うざく見える”条件とは

承認欲求は本来、仕事への意欲や成長を支える自然なモチベーションです。問題になるのは、その欲求がこじれ、「相手中心」ではなく「自分中心」に出てしまったときです。成果を過剰に主張したり、かまってほしい態度を繰り返したり、他人の評価に嫉妬して足を引っ張るような行動が重なった場合です。こうした振る舞いは、チームの空気を悪くし、心理的安全性を下げ、周囲のやる気を削ぎます。承認欲求そのものではなく、その出し方が職場の印象を決めているのです。

項目 健康的な承認欲求(Motivator) こじらせた承認欲求(Annoying)
ベクトル 周囲への貢献やチーム全体の成果に向いている 自分への称賛や自己顕示に向いている
行動の傾向 結果だけでなく、過程や努力も含めて評価されたい 結果だけを切り取り、褒められることを求める
他者評価への向き合い方 他人を認めたうえで、自分も認められたい 他人が評価されると嫉妬や不満を抱きやすい
目標 自己成長や仕事の質を高めること 承認されること自体が目的になっている

承認欲求が強い人 放置するリスク

承認欲求が強い人を放置すると、職場にはじわじわと悪影響が広がります。過剰な自己アピールや評価への執着が続くことで、周囲は気を遣い続けることになり、チーム全体が疲弊していきます。また、「誰が評価されるか」を巡る競争が激しくなり、協力よりも足の引っ張り合いが起こりやすくなります。その結果、本来注目されるべき成果や価値が見えにくくなり、努力が正当に評価されない空気が生まれます。声を上げる人だけが得をする環境では、静かに距離を取る人が増え、いわゆる「静かな退職」が進行することもあります。

チームの疲弊

承認欲求が強い人は、満たされない欲求を埋めようとして自己アピールが過剰になり、会話や会議がその人中心になりがちです。その結果、周囲は「また始まった」と冷め、信頼関係が築きにくくなります。
常に称賛や同意を求める姿勢は、周囲に過度な気遣いを強い、「感情のブラックホール」のような存在となって、チーム全体の消耗を加速させます。

評価競争が激化

承認欲求が強い人は、自己肯定感が低く他者からの評価だけを拠り所にしているため、認められない状況が続くと過剰な自己アピールや他者攻撃に走りやすくなります。自分を上げるために他人を下げる発言が増え、自慢話や「かまってちゃん」的な行動が常態化すると、職場の空気は次第にギスギスしていきます。さらに、失敗が起きた際には責任を認めず、部下や同僚、環境のせいにして自己正当化する傾向も強まります。その結果、本来は成果や協力で評価されるべき場が、評価の奪い合いに変わり、組織全体の健全さが損なわれていきます。

本来の成果が見えなくなる

承認欲求が強い人は、強い「認められたい」という思いから、実際の結果以上に自己アピールを優先し、成果を過大に伝える行動が増えていきます。都合の悪い情報を伏せたり、チームメンバーの功績を自分の手柄のように語ったりすることで、現場の事実が歪められ、管理職は正確な状況判断ができなくなります。また、上司に褒められやすい目立つ仕事や短期的な成果ばかりに力を注ぎ、地道な改善や裏方の業務が軽視されがちです。その結果、組織として積み上げるべき本質的な成果が埋もれ、評価と実態のズレが広がっていきます。

静かな退職が増える

承認欲求が強い人は、会議や日常業務で発言量が多く、自分の成果や考えを前面に出しがちです。その結果、周囲の意見が拾われにくくなり、「どうせ聞いてもらえない」「発言しても評価されない」という空気が生まれます。これが続くと、他の社員は積極的に関わる意味を見出せなくなり、最低限の業務だけをこなす姿勢に傾いていきます。
また、評価や称賛が一部の人に偏ることで、不公平感が蓄積します。承認欲求が強い人ほど上司や周囲の目に触れやすく、成果以上に存在感が評価されるケースもあります。すると、地道に仕事を支えている人ほど報われにくくなり、「頑張っても意味がない」という諦めが広がります。
さらに、感情面での消耗も大きな要因です。自慢話や自己アピールに付き合わされ続けると、聞き役に回る人の精神的負担が増えます。反論や指摘をすれば摩擦が起きるため、多くの人は衝突を避け、距離を取る選択をします。その結果、仕事への熱意や当事者意識が静かに下がり、結果的に職場に静かな退職が広がっていきます。

チーム内で本音が消える

承認欲求が強い人を放置すると、チーム内から本音が徐々に消えていきます。他人の手柄を横取りする、自慢や自己正当化を繰り返す行動は信頼関係を壊し、「何を言っても無駄」「関わらない方が楽」という諦めを広げます。
その結果、意見や違和感は表に出なくなり、当たり障りのない会話だけが残ります。表面上は静かでも、実態は心理的に空洞化した組織です。本音が消えた職場では、問題の芽が放置され、気づいたときには手遅れになります。

ストレスチェッカーとは

「ストレスチェッカー」は、官公庁・上場企業・大学・医療機関などで利用されている国内最大級のストレスチェックツールです。
未受検者への自動リマインドや進捗確認、医師面接希望者の管理など、現場で必要な機能を標準搭載しているのはもちろん、2025年5月からは無料プランやWEB代行プランでも、体調不良や心理的負担による生産性低下「プレゼンティーイズム」の測定が可能です。
ストレスチェックは、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施が義務化されることとなりました。
ストレスチェックは、自分の心身の状態を客観的に把握するための制度です。数値として現れる結果は、「ストレスフルな状態」に気づくヒントになり、必要に応じて休息や相談を取り入れることで、重い不調や長期休職を防ぐことができます。


★ ストレスチェック導入のご相談はこちら

監修:精神科医・日本医師会認定産業医/近澤 徹

精神科医 近澤徹氏

【監修医師】
精神科医・日本医師会認定産業医
株式会社Medi Face代表取締役・近澤 徹

オンライン診療システム「Mente Clinic」を自社で開発し、うつ病・メンタル不調の回復に貢献。法人向けのサービスでは産業医として健康経営に携わる。医師・経営者として、主に「Z世代」のメンタルケア・人的資本セミナーや企業講演の依頼も多数実施。


> 近澤 徹 | Medi Face 医師起業家(Twitter)

    まとめ

    ストレスチェックは、従業員のストレス状態を把握し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的とした制度です。現在は従業員50人以上の事業場で義務化されていますが、今後は50人未満の企業にも対象が拡大される予定です。
    職場で「承認欲求が強い人」を放置すると、発言や評価が一部に偏り、周囲は意見を出す意欲を失いやすくなります。聞き役に回る人の負担が積み重なり、不公平感や疲労から静かな退職が進むリスクも高まります。
    ストレスチェックを活用すれば、表に出にくい不満や消耗を早期に可視化でき、面談や職場改善につなげる手がかりになります。

    ストレスチェッカーは、官公庁・上場企業・医療機関などで採用されている国内最大級のストレスチェックツールです。自動リマインド、面接指導者管理、進捗確認機能を標準搭載し、2025年5月からは無料プランでも「プレゼンティーイズム(生産性低下)」の測定に対応しております。
    導入方法や実施方法など、お気軽にお問合せください。

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