大谷翔平のメンタルの強さの秘訣

前例のない二刀流としてメジャーリーグで活躍している大谷翔平選手。
大谷選手が身体能力に恵まれているのは事実ですが、大谷選手が成功をおさめることができた要因は、夢を叶えるために欠かせないメンタルコントロールの方法を実践してきたことが大きいようです。
たとえば、マイナス思考を切り替える方法、運を味方につける方法など。
今回は、そんな大谷選手が成功をおさめることができた要因についてメンタリティの面から紐解いていきます。

トイレ掃除やゴミ掃除で運を拾う

大谷選手は、高校1年生のときに「目標達成シート」を作成しています。
大谷選手がこのとき定めた目標は、「8球団からドラフト1位で指名される」こと。
そして、そのための行動目標として「メンタル」「体づくり」などのテーマを設けていますが、そのテーマのひとつとして「運」を記しています。
そして、その運を引き寄せる具体策として「ゴミ拾い」「トイレ掃除」などを挙げています。

高校時代のトイレ掃除

実際、大谷選手は高校時代から、他人の嫌がるトイレ掃除や片付けを率先して行っていました。
花巻東高校時代に大谷選手を指導していた佐々木洋監督は、大谷選手がトイレ掃除をすすんで行っていたことを証言しています。
これは、大谷選手は、「これで、自分の運が上がる」とプラス思考になるための方法だったようです。
これは、スポーツメンタルトレーニングの世界では当たり前に言われていることであり、心から何かを信じ、物事をプラスに捉える癖をつけると、行動が変わり結果が変わってくるのです。

大谷翔平の強い精神力はトイレ掃除で鍛えられた

メジャーでもゴミ拾いをする姿を目撃される

メジャーではベンチにゴミを捨てる選手もいる一方で、大谷選手がベンチを清掃する姿が目撃されています。
このことについて、大谷選手は「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ」と発言しています。
このように他人が嫌がることを率先して行うことで、大谷選手は成功する運気を拾いに行っているのです。トイレ掃除と同様に「これで、自分の運が上がる」とマインドセットを行っているのでしょう。
どの分野で成功するにしても、ある程度運は必要です。重要な局面で運に見放されないためにも、大谷選手のようなマインドセットは重要なのではないでしょうか。

『大谷翔平、ゴミ拾いで日本の礼儀正しさを示す』スペイン紙が称賛も…

誰も挑戦しなかったことにも挑戦する

現代のプロ野球では、野手と投手で仕事を分業するのが当然です。両者を同時に行うことは不可能であると思われていました。
過去に甲子園において投打で活躍した選手も、プロ入り時にはどちらかの道をあきらめて、片方のポジションに専念していました。

しかし、大谷選手は常識にとらわれず、現代野球において誰も挑戦しなかった二刀流に挑戦します。
周りから何を言われようとも、成功するビジョンを見据えて挑戦したからこそ大谷選手は成功できたのです。
自分の限界を決めて挑戦しなかったとしたら、メジャーで二刀流として活躍する大谷選手は見られなかったでしょう。

挫折に屈しない忍耐力

大谷選手のプロ野球生活は決して順風満帆と言えるものではありませんでした。
何度も選手生命を脅かされる怪我にあっています。しかし、それでも二刀流を諦めることはありませんでした。
苦しい状況に立たされても、そこから逃げなかったことでピンチに対する免疫力が生まれ、それが忍耐力につながったのです。
いくら優れた身体能力を持った大谷選手でも、数多くのピンチを経験しなければ、プロとしての実力は身につかない。
ピンチの数と成功の数には関係がある。大谷選手は、それを十分に理解していたのかもしれません。

日本ハムファイターズ時代の怪我

日本ハムファイターズ時代の2016年7月10日。登板時に手の指のマメを潰してしまい、その後2ヶ月間登板を諦めざるを得ませんでした。
それでも打者として出場しながら投手の準備も怠らなかったので、投手として復帰を果たしています。

2017年2月には足首を怪我したため、出場予定であったWBC(ワールドベースボールクラシック)を欠場しています。

これらの怪我は、二刀流による疲労の蓄積も一因ではないかと考えられていました。しかし、それでも大谷選手は決して二刀流を諦めませんでした。
その結果、2017年も見事な成績を残し、11月にはポスティングシステムによるメジャーリーグ移籍を果たしています。

メジャーリーグ時代の二度の右肘損傷

2023年のシーズン途中に自身二度目の右肘の手術を受けた大谷選手。普通の人であれば投手を諦めてしまいそうな状況下でも、投手復帰の道を諦めていません。
自分で定めた軸を持ち続け、どんな状況に陥ってもその軸を貫き通すという強いメンタリティ、困難に直面したとしても決して諦めないメンタリティを持っていたので成功できたのではないでしょうか。

自己より全体の利益を優先

FA権を取得した大谷選手はドジャースと10年総額7億ドルの大型契約を結びました。しかし、チームの勝利を優先するために、大谷選手は大半の年俸を11年後以降に受け取ることを決めました。

現在のメジャーリーグでは、チームの総年俸の上限が設定されているため、大谷選手の年俸が高ければ高いほど、他の選手にかけられる年俸は少なくなってしまいます。
それによって補強が失敗し、ワールドシリーズ制覇が妨げられなくなることを危惧して大谷選手は年俸の後払いを選択したのです。

自分だけでなく全体の利益を考えられるのは、視野を広く持っているからであると考えられます。
そのように視野を広く持つことで自分を客観視できたので、自己分析を行いながら試行錯誤し、成功をおさめることができたのではないでしょうか。

絶えず挑戦し続ける

メジャーリーグMVPという大偉業を成し遂げてもなお、大谷選手は絶えず挑戦し続けました。
素晴らしい結果を残した後でも絶えず挑戦し続ける向上心があったからこそ成功できたのだと考えられます。

挑戦をやめてしまうとそこで成長は止まってしまいます。成功をおさめるためには、耐えず挑戦し続け、自己研鑽を怠らないことが重要であると考えられます。

成功するためのマインドセットを大谷翔平選手から学びましょう

たとえ優秀な能力を持っていたとしても、成功するメンタリティを持っていなければ成功する確率は低くなってしまいます。
失敗を恐れて未知の世界に踏み込めず成功できなかった人でも、大谷選手のようなメンタリティを持ち合わせれば成功に辿り着けるかもしれません。
ゴミ拾いなど手をつけやすいことから始めてみませんか。

監修:精神科医・日本医師会認定産業医/近澤 徹

【監修医師】
精神科医・日本医師会認定産業医
株式会社Medi Face代表取締役
近澤 徹

オンライン診療システム「Mente Clinic」を自社で開発し、うつ病・メンタル不調の回復に貢献。法人向けのサービスでは産業医として健康経営に携わる。医師・経営者として、主に「Z世代」のメンタルケア・人的資本セミナーや企業講演の依頼も多数実施。

> 近澤 徹| Medi Face 医師起業家