
ストレスチェックを実施していても、思うように受検率が伸びないと職場の背景には、「結果が会社に知られそうで不安」「受ける意味がよく分からない」といった、従業員側の戸惑いがあることが多いです。
受検率を上げるには、単に案内を増やすだけでなく、安心して受けられる環境づくりと、制度の目的をきちんと伝えることが欠かせません。
この記事では、人事担当者の立場から、受検率が上がらない理由と改善のポイントを整理していきます。
目次
ストレスチェックの受検率が上がらないのはなぜ?
ストレスチェックの受検率が上がらない職場では、従業員が「結果を会社に見られるのではないか」という不安を持っていることがあります。また、「受ける意味がよく分からない」というケースも見られます。
制度の目的や個人情報の扱いが十分に伝わっていないと、従業員は警戒しやすくなり、受検をためらう原因になります。
結果が会社に知られそうで不安
ストレスチェックの受検率が上がらない背景には、「結果が会社に知られるのではないか」という不安があります。
本来、検査結果は本人の同意なしに事業者へ提供されませんが、現場では「人事評価や昇進に影響するのでは」「高ストレス者と見られて扱いづらい人と思われるのでは」といった不安を感じる人もいます。
さらに、面接指導を申し込むことで不調を申告したように受け取られる不安もあり、受検そのものを避ける要因になっています。
受ける意味が伝わっていない
受ける意味が伝わっていないことも、ストレスチェックの受検率が伸びにくい理由です。本来、ストレスチェックは自分のストレス状態に気づき、セルフケアにつなげるためのものですが、その目的が正しく伝わっていないと、受検率はどうしても上がりません。
また、結果の見方や活かし方の説明が足りず毎年受けても職場が変わった実感がないと、「やる意味がない」と感じやすくなります。
ストレスチェックの受検率を上げるべき理由
ストレスチェックは、従業員の不調を早めに把握し、深刻化を防ぐうえで大切です。高ストレス者を早い段階で面接指導につなげやすくなれば、本人への支援もしやすくなります。また、受検者が増えることで集団分析の精度も高まり、部署ごとの負担や職場環境の課題を見つけやすくなります。結果として、個人への対応だけでなく、職場全体の改善にもつながります。
不調の早期把握につながる
ストレスチェックの受検率を上げるべき大きな理由のひとつが、不調を早い段階で把握しやすくなることです。結果を数値で見ることで、本人が自覚しにくい疲れやストレスに気づきやすくなり、休息や生活改善のきっかけになります。
高ストレス者を面接指導につなげやすい
ストレスチェックの受検率を上げるべき理由のひとつは、高ストレス者を早めに面接指導へつなげやすくなることです。面接指導では、医師が客観的に状態を見て、休養の必要性や働き方の見直しについて助言できます。不調の重症化や休職、離職の予防につなげることが期待できます。
集団分析と職場改善に活かしやすい
ストレスチェックの受検率が高いほど、集団分析の精度が上がり、職場改善にもつなげやすくなります。
受検率が低いと、一部の回答だけが目立ったり、実際に負担を感じている人の声が反映されにくくなったりして、現場の課題を正しくつかみにくくなります。
受検率が高ければ、どの部署で何が負担になっているのかを把握しやすくなり、人員配置や業務分担の見直しといった対策の根拠にもなります。さらに、毎年の結果を比べることで、実施した改善策が効果を上げているかも確認しやすくなります。こうした流れが見えてくると、従業員にも「回答が無駄ではなかった」という実感が生まれ、次回以降の受検にもつながりやすくなります。
ストレスチェックの受検率を上げる方法
ストレスチェックの受検率を上げるには、まず実施の目的を分かりやすく伝え、「会社のため」ではなく「自分の状態を知るための機会」だと理解してもらうことが大切です。あわせて、不利益取扱いが禁止されていることを丁寧に周知し、不安を減らす必要があります。また、受けやすい時期や実施方法を見直し、健診や社内施策とあわせて案内することで、自然に受検しやすい流れをつくれます。
ストレスチェッカーとは
「ストレスチェッカー」は、官公庁・上場企業・大学・医療機関などで利用されている国内最大級のストレスチェックツールです。
未受検者への自動リマインドや進捗確認、医師面接希望者の管理など、現場で必要な機能を標準搭載しているのはもちろん、2025年5月からは無料プランやWEB代行プランでも、体調不良や心理的負担による生産性低下「プレゼンティーイズム」の測定が可能です。
ストレスチェックは、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施が義務化されることとなりました。
導入や運用の相談は、ぜひお気軽にお問合せください。
実施目的をわかりやすく伝える
ストレスチェックの受検率を上げるには、まずは実施目的を分かりやすく伝えることが大切です。
大切なのは、自分にどんなメリットがあるかを具体的に伝えることです。たとえば、ストレスチェックを「心の健康診断」のようなものとして説明すれば、自分の疲れや不調に早めに気づくきっかけとして受け止めてもらいやすくなります。また、結果は本人の同意なしに会社へ共有されないことを、仕組みごとていねいに伝えることも不安の軽減につながります。さらに、集団分析の結果が職場改善に活かされることまで示せば、「受ける意味がある」と感じてもらいやすくなります。
不利益取扱いの禁止を周知する
ストレスチェックの受検率を上げるには、不利益取扱いが禁止されていることを、従業員にしっかり伝えることが大切です。
多くの人は、「高ストレスと出たら昇進に影響するのでは」「上司に知られて不利になるのでは」と不安を感じています。
そこで、結果や面接指導の申出を理由に、解雇、降格、減給、不当な配置転換などができないことは、会社の方針ではなく法律で守られているルールだと明確に伝える必要があります。あわせて、個人の回答は外部機関などが管理し、本人の同意がない限り会社は見られない仕組みも具体的に示したいところです。
受けやすい時期と方法を見直す
ストレスチェックの受検率を上げるには、受けやすい時期と方法を見直すことも大切です。
繁忙期に実施すると後回しにされやすいため、比較的業務が落ち着いた時期を選ぶなどの配慮が必要です。また、紙よりもスマホやPCで回答できる仕組みの方が、手間や心理的な負担を減らしやすいです。さらに、勤務時間内に受けてよいことを明確にしたり、受検用の時間を設けたりすると取り組みやすくなります。未受検者へのリマインドや、少し余裕のある実施期間を設ける工夫も効果的です。
健診や社内施策とあわせて案内する
ストレスチェックの受検率を上げるには、健康診断やほかの社内施策とあわせて案内する方法が有効です。
健康診断と一緒に案内すれば、ストレスチェックを「心の健康診断」として自然に受け止めてもらいやすくなります。会社が従業員の心身の健康を大切にしている姿勢も伝わりやすくなり、「やらされるもの」ではなく、自分のための機会として前向きに受け止めてもらいやすくなります。
受検率を上げるときの注意点
受検率を上げたいからといって、ストレスチェックを無理に受けさせるような進め方は避け、あくまで安心して受けられる環境を整えることが大切です。
また、個人情報の扱いには十分に配慮し、結果が適切に管理されることをていねいに伝える必要があります。さらに、受検して終わりにせず、必要なフォローや職場改善につなげていくことも明確にします。
受検の強制にならないようにする
会社には実施義務がありますが、受検するかどうかは従業員本人の判断に委ねられています。受けないことを理由に叱責したり、人事評価に結びつけたりすれば、不利益取扱いと受け取られるおそれがありますし、「会社は結果を見たいのではないか」という不信感も強まりかねません。
未受検者への通知は上司ではなく事務局や外部機関から行い、会社には個人が特定されないことを伝えると安心感につながります。無理に100%を目指すより、安心して受けられる環境づくりを優先することが、結果として受検率の向上につながります。
個人情報の扱いに配慮する
「会社に結果が知られるのでは」と不安を感じる従業員が多い場合には、誰が結果を見られるのかを具体的に説明する必要があります。
個人の回答結果は上司や人事担当者は見られず、閲覧できるのは守秘義務のある外部の実施事務局や産業医などに限られること、会社へ共有される場合も本人の同意が前提であることを明確に伝えることが大切です。
また、集団分析では一定人数に満たない場合は集計しないなど、個人が特定されない仕組みもあわせて示すと安心感につながります。口頭で説明するだけでなく、情報の流れを図で示すなど、仕組みとして見せる工夫も信頼を高めるポイントです。
受けっぱなしで終わらせない
ストレスチェックは、実施して終わりにしないことが大切です。受けたあとに何の変化もなければ、従業員は「答えても意味がない」と感じ、次回以降の受検率も下がってしまいます。
だからこそ、結果通知のあとにセルフケアの方法を案内したり、相談窓口をわかりやすく示したりして、次の行動につなげる工夫が必要です。
また、集団分析をもとに職場改善を行った場合は、「どんな課題があり、何を見直したのか」をきちんと共有することも重要です。自分たちの回答が無駄になっていないと実感できれば、制度への信頼が高まり、翌年以降も安心して受けてもらいやすくなります。
まとめ
ストレスチェックの受検率を上げるには、制度の目的を分かりやすく伝え、個人情報が守られることや不利益取扱いがないことをていねいに周知することが大切です。あわせて、受けやすい時期や方法を見直し、受検後のフォローや職場改善までつなげることで、制度への信頼と次回以降の受検意欲を高めることが期待できます。
ストレスチェッカーは、官公庁・上場企業・医療機関などで採用されている国内最大級のストレスチェックツールです。自動リマインド、面接指導者管理、進捗確認機能を標準搭載し、2025年5月からは無料プランでも「プレゼンティーイズム(生産性低下)」の測定に対応しております。
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