キャリアカウンセリングと復職支援

キャリアカウンセリングとは、キャリア形成や職業能力の開発、今後の働き方に関する悩みや不安について相談を受け、状況に応じた助言や整理を行う支援のことです。本人の考えや課題を言葉にしながら、これからの働き方を一緒に見直していく役割もあります。
このキャリアカウンセリングを上手に活用することで、休職した従業員が自分の状態や不安を整理しやすくなり、復職に向けた見通しを持ちやすくなります。その結果、無理のない形で職場復帰につなげられる可能性が高まります。

キャリアカウンセリングとは

キャリアカウンセリングとは、個々の労働者にとって、より望ましい職業選択やキャリア形成ができるように、状況や悩みに応じて支援したり助言したりすることです。本人の考えを整理しながら、これからどのように働いていきたいのか、どのような力を伸ばしたいのかを一緒に確認していく役割を担い、将来の方向性が見えにくいときにも、自分に合った選択肢を考えるきっかけになります。

このキャリアカウンセリングをうまく活用することで、復職を目指す従業員に対する心理的な支援だけでなく、職場側の受け入れ体制や働き方を見直すきっかけにつなげることができます。

復職支援にキャリアカウンセリングを活用する効果

キャリアカウンセリングと聞くと、職業選択やキャリア相談と思われる人も多いと思いますが、実はそれだけではありません。
3年後、5年後に、自分はどうありたいか。その自分のありたい姿に到達するために、今何をすればいいか。生きていくためには切り離せない「働く」という視点を軸に「生き方」も含めて自分で考えて自分で管理実践していく、そのサポートをするのがキャリアカウンセリングといえるのです。

メンタル不調で休職してしまうと、これから自分のキャリアをどう形成していけばよいか、分からなくなってしまう人が多いのだと思います。

ですから、このような時にキャリアカウンセリングを活用して「この経験をもとにこれから会社のなかでどうしたらいいか」もっと言うと「会社を出ることも含め、自分にとっての「働く価値観」を整理し、明確にする」ことをお手伝いをしてあげることが不安を取り除くひとつの有効なきっかけとなると期待できるのです。

キャリアコンサルタントによる復職支援

メンタルヘルス不調で休職した社員が職場に復帰する場合には、なかなかうまく復帰に至らないことが多々あります。
復帰を試みるものの、結局半数前後が退職に至る、というデータもあります。

参考:厚生労働省「平成 30 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」

このように、休職者の復職は各社各個人が手探りの分野のようです。

時間的・仕事内容的に段階を経て徐々に元に戻す「リハビリ勤務」などの方法で復帰させるなど、復帰プロセスの内容を検討する企業は多いと思いますが、復帰前や復帰後しばらくキャリアカウンセリングを実施していく、というのも大変有効な方法と考えられます。

まずは主治医による職場復帰の可能性の判断

休業中の従業員が復帰をする際には、まず主治医が職場復帰可能性を判断することになります。従業員から職場復帰の意思が伝えられたら、会社はその従業員に対して主治医による診断書を提出するよう求めます。そしてこの診断書には、主治医による具体的な意見を記載してもらいます。
ただし、主治医は職場環境や仕事の内容まで理解して診断書を書いているわけではありませんので、最終的な判断をする際には産業医にもアドバイスを求めます。

復職支援プランの作成

復職にあたっては、必要な情報を収集し評価をしたうえで、復職支援プランを準備しておくことが必要です。この時、キャリアカウンセリングを活用したプランを立てることで効果が期待できる可能性があります。

休職中や復帰予定の社員は、「上司や同僚など職場に迷惑をかけたから歓迎されないのではないか」「メンタル不調が再発しないだろうか」という漠然とした不安に加えています。
そして、一度不安を抱えると「メンタルで休職すると、『重要な仕事は任せられない』と思われ、会社のお荷物になっていくのではないか」「昇進昇格の道も絶たれ、今後社内で居場所がなくなるのではないか」「元のパフォーマンスに戻れないのではないか」といった、復帰後のキャリア形成に対する不安がますます増大してしまいます。
このような時にキャリアカウンセリングを活用して、まずはキャリア形成に対する不安を少しでも軽減させてあげれば、それが自信や安心につながり漠然と抱えていた不安も少しずつ解消されていくと期待できるのです。

キャリアコンサルタントの活用事例

人手不足や働き方の多様化が進むなかで、従業員一人ひとりの悩みや将来の希望にどう向き合うかは、企業にとって大きな課題になっています。キャリアコンサルタントは、キャリア形成の支援だけでなく、復職支援、意欲向上、職場定着、メンタル面のフォローなど、幅広い場面で力を発揮します。
ここでは、実際の活用事例をもとに、企業や施設がどのように取り入れ、どのような利点を得ているのかをご紹介します。

A社(東京都江東区)

東京都江東区のA社((大手飲料メーカーのグループ企業)では、復職支援の際にキャリアカウンセリングを活用して効果を上げています。
A社では、以前からメンタルヘルス不調による休職者が多かったことがあり、メンタル不調を早期発見・早期対応することの重要性を現場に繰り返し訴え、キャリアカウンセリングを活用してメンタルヘルス不調による休職者が減らすことに成功していました。

さらに、メンタルヘルス不調への対応は、病気の場合は当然医師に任せているが、復職直前にはリハビリ出勤をしてもらうが、必要に応じてキャリアコンサルタントが対応し、スムーズな復職につなげるようにしているということです。

B社(神奈川県横浜市)

神奈川県横浜市のB社(IT・機械設計企業)では、キャリアコンサルタントを、従業員の希望や適性を整理し、今後の働き方を考えるための支援役として活用していました。たとえば、技術職から営業職への異動を希望する社員には、本人の真意を確認したうえで可能性を探り、3年のキャリアプランを作成して継続的にフォローしていました。また、変化を避けがちな技術職に対しては、グローバル化や市場の変化を見据えた意識改革も促し、本人の将来像が明確になり、会社側も育成や配置を考えやすくなる利点がありました。

C社(栃木県佐野市)

栃木県佐野市のC社(介護施設)では、、外部の専門家を活用して職員支援を進めていました。社会保険労務士が個別面談を行い、施設長には話しにくい悩みやメンタル面の相談を受ける体制を整えていたほか、介護労働安定センターからキャリアコンサルタントを派遣してもらい、メンタルケアに関する講義を実施するなどの取り組みを進めています。シフト制で職員が外に出にくい中でも、施設に来てもらう形なら実施しやすい点も利点です。職員が相談しやすくなり、心の負担の軽減や職場理解の促進につながる点が大きなメリットであるということです。
参考:厚生労働省「中小企業におけるキャリア・コンサルティング部会」

キャリアカウンセリングの活用とストレスチェック

キャリアカウンセリングを活用すると、従業員が自分の働き方や将来の方向性を整理しやすくなり、不安の軽減や復職支援、意欲向上につながります。
あわせてストレスチェックを活用すると、心身の不調の兆しを早めに把握し、職場環境の改善やメンタル不調の予防に役立ちます。キャリアカウンセリングとストレスチェックを組み合わせることで、個人支援と職場改善の両面から働きやすい環境づくりを進めやすくなります。
 

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まとめ

心の健康問題はさまざまな要因が重なり合っていることが多いので、個々の事情にあわせてさまざまな工夫をすることが求められます。その際に、キャリアカウンセリングを活用して、従業員と連絡を密にとり現状把握に努め、必要なアドバイスやサポートを行うことで、休職者の復職に大きな効果が期待できる場合があります。

HRデータラボでは、平成27年(2015年)の12月から、義務化されたストレスチェック制度ツールのオプションとして、24時間365日いつでも電話でカウンセラー(看護師、管理栄養士、心理カウンセラー)に相談できるオプションや対面でカウンセリングを実施できるオプションなどさまざまなキャリアカウンセリングのプランをご意しています。
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