「厚生労働省版ストレスチェック」の保存期間について

働く人が安心してストレスチェックを受けてストレス状態を適切に把握し、必要に応じて改善していくためには、ストレスという個人的な情報を適切に管理することが大切です。
しかし厚生労働省版ストレスチェックを利用した場合には、「実施者用管理ツール」に全受診者の結果が集められますので、その保存方法や保存期間については、注意が必要となります。

ストレスチェックデータの記録・保存

ストレスチェックとは、働く人のストレス状況の把握を目的とする定期検診のメンタル版のような制度です。
ストレスチェックのテスト結果は、ストレスという個人的な情報なので、適切に管理し保存することが重要です。

ストレスチェックデータの保存義務

ストレスチェックを実施したい際には、ストレスチェックの結果を保存する義務を負います。
労働者から提出の同意を得られた場合
労働者から同意を得て実施者からその結果の提供を受けた場合には、会社はストレスチェックの結果の記録を作成し5年間保存します。

労働者から提出の同意を得られていない場合
労働者の同意がなく、会社に提供されない個人の結果の記録を保存する場合には、実施者(医師、看護師、公認心理師など)が行うのが望ましいとしています。実施者による保存が難しい場合には、実施事務従業者(社内のメンタルヘルス担当者や衛生管理者など)の中から担当者を指名します。

ストレスチェックの保存方法

ストレスチェックの保存方法は、紙で保存することも電磁的媒体で保存することも可能です。電磁的媒体の場合には、「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令について」を参照します。
▶ 厚生労働省「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」

「厚生労働省版ストレスチェック」の問題点

ストレスチェックを実施した場合、すべての結果を紙にプリントアウトして保管しようとする場合であれば、厚生労働省版ストレスチェックを利用した記録保存についてとくに問題となることはありません。

ただし、会社がストレスチェックに関する労働者の情報を不正に入手することは許されず、実施者らには守秘義務が課され違反した場合には刑罰が科されますので、データを保管した部屋について持ち出し制限を行い、入退室管理や監視カメラを設置するなどして、厳重に管理する必要があります。

しかし、従業員の数が多い場合などは紙で保存する方法は現実的ではなく「厚生労働省版ストレスチェック」利用した場合には「実施者用管理ツール」に5年間保管する方法が現実的でしょう。
しかし「実施者用管理ツール」を実装したパソコンが、5年後も正常に動作するためには、少なくとも以下の対策を行う必要があります。

バックアップのパソコンを用意する
バックアップのパソコンについては、厚生労働省の推奨する動作環境(OS、CPU)の最新情報を常に確認する必要があります。
さらに2020/11/23以前にダウンロードした全てのプログラム(Ver.1~3.3の全て)については、証明書が失効してしまった場合には再度ダウンロードする必要があります。

常に最新のデータのバックアップをとる
「厚生労働省版ストレスチェック」の実施期間中はもちろん、実施終了後でも実施者によってデータに変更が加えられます。
したがって、年中無休で週に1度はバックアップを取る必要があります。
この「常に最新のデータのバックアップをとる」というのが、厚生労働省版ストレスチェックを利用した際のデータ保存をするうえで最も手間がかかる作業といえるかもしれません。

ストレスチェッカーのデータの記録・保存

厚生労働省版ストレスチェックの推奨する動作環境を確認しながらバックアップ用のパソコンを用意し、必要に応じてプログラムを再度ダウンロードし、常に最新のデータのバックアップを行うという作業が簡単にできるのであれば「厚生労働省版ストレスチェック」の利用も問題ありません。

しかし、これらの手間をかけずにストレスチェックを実施しデータを適切に保存したい場合には、「ストレスチェッカー」の利用をおすすめします。

年中無休でデータを監視しバックアップを取得

ストレスチェッカーは株式会社 KDDI ウェブコミュニケーションズが年中無休でサーバーを監視して、リアルタイムで全データのバックアップをとっています。さらに3日に1度は二重にバックアップを取ってデータを適切に保存する体制を構築しています。

まとめ

会社は、労働者が安心してストレスチェックを受けるためにも、データを適切に保護することが強く求められています。
下記記事では、「厚生労働省版ストレスチェック」のセキュリティ面の問題点や動作環境の問題点についてもご紹介していますので、あわせてご覧ください。

▶ 「厚生労働省版ストレスチェック」のセキュリティについて

▶ 「厚生労働省版ストレスチェック」の動作環境について

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