ストレスチェックサービス徹底比較22選

企業における従業員のメンタルヘルス対策は重要性を増しており、労働安全衛生法に基づき、従業員50人以上の事業場ではストレスチェックの実施が義務付けられています(2028年からは、全事業場が対象となります)。
ストレスチェックサービスは数多く存在しますので、コストやサポート、機能面などを十分に比較したうえで導入することが大切です
本記事では「ストレスチェックサービス徹底比較22選」と題し、導入実績・機能性・規模別の観点から厳選したサービスを紹介します。

監修医師:近澤 徹
精神科医・日本医師会認定産業医
株式会社Medi Face代表取締役

ストレスチェックとは?

ストレスチェックとは、従業員の精神的な健康状態を把握し、ストレスの高い状態を早期に発見するために行う検査です。質問票によって実施され、結果は本人にのみ通知され、同意がなければ事業者に提供されることはありません。労働安全衛生法に基づき、従業員50人以上の事業場では年1回以上の実施が義務付けられており、正社員に限らず契約社員や派遣社員も対象に含まれます。さらに2025年5月に改正法が成立し、2028年までにはすべての事業場でストレスチェックの実施が必須となる見込みです。

ストレスチェックの全事業所義務化の背景

ストレスチェックはこれまで従業員50人以上の事業場に義務付けられていましたが、2025年5月に成立した「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部改正」により、2028年までにすべての事業場で実施が必須となる見込みです。
これは、50人未満の小規模事業場でも義務化が進められることを意味します。その背景には、精神障害による労災認定件数の増加があり、規模の大小にかかわらずメンタルヘルス不調の早期発見と予防が求められている現状があります。
ストレスチェックの目的は、まず従業員本人が自身のストレスに気づき、セルフケアにつなげることにあります。その結果、必要に応じて医師の面接指導や職場環境の改善が行われ、心身の健康維持をサポートできます。さらに、こうした取り組みは離職率の低下や生産性の向上といった組織全体への好影響も期待されます。少子高齢化による労働力不足が深刻化する中で、ストレスチェックの義務化は従業員の健康を守るだけでなく、企業の持続的な成長にとっても大きな意味を持つのです。

ストレスチェックを選ぶ際のポイント

ストレスチェックツールを選ぶ際には、自社の従業員数や業種に合った規模感や柔軟性を持つサービスであるかを確認することが大切です。
また、ツールの操作性や回答のしやすさも従業員の受検率に直結します。スマートフォン対応や匿名性の確保、ストレスの度合いを分かりやすく可視化できる仕組みは、利用者の心理的ハードルを下げ、結果的に精度の高いデータ収集につながります。
さらに、人事担当者にとっては結果の集計や分析が容易であることも重要です。レポート作成が自動化されているか、組織改善につながる指標を提供しているかなどをチェックするとよいでしょう。

導入の流れと活用事例

ストレスチェックサービスを導入する流れは、導入前の準備・実施・活用の3つの段階に整理できます。
導入前の準備では、実施方法や社内ルールを決定し、必要に応じてITシステムを用いた運用体制を整えます。
実施段階では、従業員に質問票を配布・記入してもらい、その回答を基にストレス状況を評価します。医師の面接指導が必要かどうかを判断し、結果は本人に通知されます。本人が希望する場合は医師による面接指導が行われ、必要に応じて就業上の措置について意見聴取が行われます。その後、就業上の措置が実際に実施されます。
個人の結果は匿名性を確保したうえで集団ごとに集計・分析され、職場環境改善の施策に活かされます。こうした一連の流れを通じて、従業員のセルフケア支援や職場全体の健康づくりが進み、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防ぐことが可能になります。
ある製造業の企業では、ストレスチェックの結果を基に特定部署の長時間労働やコミュニケーション不足が明らかになり、組織改善研修や労務管理の強化を行った結果、離職率の低下につながりました。またIT企業では、チェック後にオンラインカウンセリング窓口を設け、従業員が気軽に相談できる体制を整備したことで、早期のメンタル不調対応が可能となりました。このようにストレスチェックは、単なる義務対応にとどまらず、組織の健全性を高める有効なツールとして活用できます。

ストレスチェックサービス比較25選

ここでは、多数のストレスチェックサービス提供企業から、自社に最適なサービスを見つけやすいよう整理してご紹介します。
導入実績が多いタイプ、トータルサポート重視のタイプなど、特徴に応じてご紹介します。法改正により今後すべての事業場で実施が義務化されるため、自社の課題や目的に合わせた選定が一層重要となります。

導入実績が多い5社

1.株式会社HRデータラボ:ストレスチェッカー
日本最大級の9,500社への導入実績があり、年間受検実績は200万人と、業界トップクラスの導入実績と信頼性を誇ります。規模や業種を問わず幅広く利用されています。

2.株式会社情報基盤開発:ストレスチェックPRO
導入実績は4,800社、150万人が利用しているストレスチェックツールです。継続率は94.4%と非常に高い水準です。

3.株式会社ドクタートラスト
これまで267万人超の受検実績があり、専門的なノウハウを活かしたサポート力が強みです。

4.株式会社エムステージ:Co-Labo
年間60万人以上の受検実績を持ち、科学的エビデンスに基づいた設計が特長です。データを活用して職場改善を進めたい企業様におすすめです。

5.ここむ株式会社(COCOMU):ストレスチェックサービス
2011年からサービスを提供し、毎年2,500以上の事業所を支援してきたことから、長年の経験とノウハウに基づく安定感があります。

導入実績が多い5社・詳細比較(※実績値はご提示情報ベース/最新は各社にご確認ください)
サービス名 導入実績・
規模感
主な機能 連携・
サポート
おすすめポイント
HRデータラボ
ストレスチェッカー
約9,500社導入
年間受検実績は200万人
(日本最大級)
集団分析、受検率レポート、ダッシュボード、電話カウンセリング、人事労務専門家相談サービス、ハラスメント社外通報窓口 導入支援、運用相談、産業医連携 業種横断の豊富なノウハウで大規模運用も安定して実行可能。
情報基盤開発 4,800社・150万人利用 集団分析、職場改善レポート 専任サポート、面接指導手配(要確認) 高継続率が示す満足度。
ドクタートラスト 受検・実施実績 267万人超 面接指導連携、産業保健サービス 産業医・保健師ネットワーク、職場改善提案 医療・産業保健の一気通貫支援で現場負荷を大きく軽減。
エムステージ 年間受検 60万人以上 リスク可視化、集団分析、改善提案 運用伴走、研修・施策提案(要確認) 改善施策に直結する示唆を得やすい設計。
ここむ(COCOMU) 2011年開始/毎年2,500超の事業所支援 受検~集団分析、職場環境改善支援 運用サポート 初導入でも安心の伴走支援

※上記はご提示情報を基に作成しています。最新の機能・サポート内容は各社公式情報でご確認ください。

総合的アプローチ重視の7社

1. 株式会社ドリームホップ:ORIZIN
導入事業所数が1,500社を突破しており、データ・テクノロジー・人のサービスを組み合わせた革新的なアプローチを実現しています。ハラスメント防止・メンタルヘルス・リーダーシップなどのeラーニングなども実施しています。

2. ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社
心理学的知見を活用した学習コンテンツを提供し、ストレスチェックを通じて「真の課題」に焦点を当てた分析とレポートを行っています。得られたインサイトをもとに、管理職が学び、アクションを立案・実行するまでをシステム上でサポートしています。

3. メディフォン株式会社
健康管理システム「mediment」は、健診業務からストレスチェック、産業医面談の管理まで幅広く対応できる総合的なプラットフォームです。健康経営の推進をトータルで支援しています。

4. 株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント
「アドバンテッジ タフネス」は、ストレスチェックを起点に組織改善までをワンストップで支援するサービスです。生産性向上に直結するエンゲージメントの把握まで可能で、独自の「メンタルタフネス度」を指標に個人と組織の課題を可視化します。

5. 株式会社HRBrain
人事・労務領域を幅広くカバーする統合型クラウドサービスを提供しています。タレントマネジメントによるスキルの可視化や育成支援、360度評価による公正な評価体制の構築、組織診断サーベイやパルスサーベイを通じたコンディション把握など、多彩な機能を揃えています。ストレスチェックもその一環として提供されています。

6. 株式会社iCARE
クラウド健康管理システム「Carely」は、ストレスチェックをWebで完結できます。健康経営や働き方改革を推進する企業から注目を集めるサービスです。

7. 株式会社こどもみらい
提供する「STRESCOPE」では、ストレスチェックに加えて医学的分析を行い、心身のリスク要因を多角的に可視化します。また、睡眠改善を目的とした「eSLEEP」や健診データを活用する「カラダスコープ」などのプログラムも展開しています。

コスパ最強の3社

1.株式会社HRデータラボ:ストレスチェッカー
HRデータラボの「ストレスチェッカー」は、コストパフォーマンスに優れたストレスチェックサービスです。
無料プランでは57問を年1回無料で利用可能で、500人以上の実施であれば1人あたりわずか1人120円(税込132円)という低価格を実現しています。
Web代行プランも用意されており、57問・80問いずれも1人あたり250円(税込275円)で利用可能です。業界水準と比較しても圧倒的にリーズナブルで、規模に応じた柔軟な選択が可能です。

2.株式会社情報基盤開発
株式会社情報基盤開発が提供する「ストレスチェックPRO」は、基本料金25,300円で利用できるサービスです。従業員50人の場合、1人あたりの実施コストは約506円です。小規模事業場には導入しやすいといえます。

3. 中央労働災害防止協会
中央労働災害防止協会が提供するストレスチェックは、標準版57項目・80項目版・総合版90項目と選択肢が幅広く、企業のニーズに応じた導入が可能です。紙とWebの両方に対応しており、会員価格を利用すればさらにコストを抑えられます。たとえば、標準版Webは一般300円、会員270円とリーズナブルで、総合版90項目もWeb実施で一般450円に収まります。

ストレスチェックサービス比較(HRデータラボ/情報基盤開発/中央労働災害防止協会)
サービス名 料金体系 特徴
HRデータラボ
ストレスチェッカー
・無料プラン(57問 年1回)
・500人以上:1人120円(税込132円)
・Web代行(57問/80問):1人250円(税込275円)
無料プランから有料代行まで幅広く対応。業界水準と比べ圧倒的にリーズナブルで、規模に応じた柔軟な選択が可能。
情報基盤開発
ストレスチェックPRO
・基本料金:25,300円
・従業員50人の場合:1人あたり約506円
小規模事業場に導入しやすい価格設定。シンプルな料金体系で分かりやすく、導入コストを抑えたい企業に適合。
中央労働災害防止協会
ストレスチェックサービス
・標準版57問(Web 一般300円/会員270円)
・80問版(Web 一般400円/会員360円)
・総合版90問(Web 一般450円/会員405円)
設問数を選べる柔軟性と紙・Web両対応が特徴。会員価格を利用すればさらにコストを抑えられる。

オプションサービスが充実の7社

1. MBK Wellness 株式会社
健康データの一元管理と専門職の知見を組み合わせ、健康経営をワンストップで支援するサービスを展開しています。ストレスチェックシステム「HoPEサーベイ」では離職リスクや生産性を可視化し、組織改善につなげられるのが特徴です。また、健康管理システム「HoPEヘルスケア」により煩雑なデータを統合管理し、DXを推進。さらに現場型EAPカウンセリングや健康経営コンサルタントによる伴走支援も提供しています。

2. 株式会社フェアワーク
従業員1人あたり400円~でストレスチェックを提供しており、WEB方式・57項目版を中心に導入人数に応じた柔軟な料金体系を採用しています。「メンタル不調予防支援プログラム」も提供していて、月1回の簡易サーベイやeラーニング配信を通じてセルフケアを習慣化できます。臨床心理士によるカウンセリングやオンライン診療サービス「フェアクリニック」も提供されています。

3. ウィーメックス株式会社
おすすめのスタンダードプランは10名単位で利用可能で、Web版は8,000円、紙版は10,000円(Web版スタンダードプランでは、1人あたり約861円)と分かりやすい料金体系です。ストレスチェックの結果に基づき、従業員一人ひとりの状況に合わせたセルフケア動画を提供し、満足度の高い学習体験を実現します。

4. CAPS株式会社
医療法人社団ナイズとの強固な協業体制に基づき、医療分野からの専門的な支援を受けられます。医師の紹介や医療データの分析、医療コンテンツの提供など、高い専門性を備えています。また、CAPS自身は民間企業ならではの柔軟性を発揮し、予防医療システムや健康支援サービスの共同開発、情報発信などを展開しています。

5. 株式会社キャムテック
ストレスチェックサービスは、Web実施で1人あたり440円、紙実施で550円(郵送料別途)とシンプルな料金体系で提供されています。
派遣管理クラウド「グッジョブ」やWEB勤怠管理「T-REX」、給与即時払い「プリ給」、雇用管理システム「CROSSNAVI」など多様なHRソリューションを展開しています。

6. 株式会社ウェルネスサポート
ストレスチェックにとどまらず、健康経営や人材育成を多角的に支援するサービスを展開しています。組織の課題や目的に応じて設計できる「オーダーメイド研修」や、健康経営推進に必要な知識を習得できる研修、キャリア形成を支援する「ウェルキャリア研修」など、教育プログラムが充実しています。

7. 株式会社バリューHR
ストレスチェックのオンライン実施支援やインフルエンザ予防接種の出張手配など、実務に直結するサポートも充実しています。中小企業向けには健診代行やストレスチェックをパッケージ化した「VCバリューパック」も展開しています。

大手企業グループ系の3社

1. 株式会社NTTデータ
「Health Data Bank」は、全国約2,000の健診機関との調整実績を持ち、バラバラな健診データを統一形式で管理できるシステムです。健診結果やストレスチェックの結果、労働時間、疾病情報などの健康データを一元的に管理できます。

2. 東京海上日動メディカルサービス株式会社
2024年度には約200社で30万件、簡易版では約1,700社で33万件の利用があり、さらに研修や職場改善コンサルティング、追加設問による詳細分析など、オプションサービスを通じて健康経営の推進をサポートしています。

3. 株式会社 エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ東日本
ストレスチェックをはじめ、メンタルヘルスカウンセリングや特定保健指導など、幅広い健康経営支援サービスを展開しています。ヘルスデータバンクを活用し、従業員の健康状態を多面的に管理できます。

中小企業向け/小規模事業場におすすめの2社

1. 株式会社HRデータラボ
株式会社HRデータラボの「ストレスチェッカー」は、コストパフォーマンスに優れたストレスチェックサービスです。無料プラン(57問)は年1回0円で利用可能で、500名以上の実施なら1人あたり120円(税込132円)と低価格を実現。初期費用や月額費用は不要で、20年間のデータ保管も無料です。PC・スマホ両対応、16か国語対応、集団分析無制限といった機能性も備え、労基署報告サポートやプレゼンティーイズム測定も利用できます。さらに、WEB代行プラン(57問・80問)は1人あたり250円(税込275円)で、専任コンサルタントによる支援も可能です。

2. 株式会社ドクタートラスト
株式会社ドクタートラストが提供する「ストレスチェック50」は、従業員50人未満の小規模事業場に特化したサービスです。料金は人数に関わらず一律33,000円(税込)で利用でき、たとえば最大49名で実施した場合でも1人あたり約673円とシンプルで分かりやすい価格設定となっています。

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    監修:精神科医・日本医師会認定産業医/近澤 徹

    精神科医 近澤徹氏

    【監修医師】
    精神科医・日本医師会認定産業医
    株式会社Medi Face代表取締役・近澤 徹

    オンライン診療システム「Mente Clinic」を自社で開発し、うつ病・メンタル不調の回復に貢献。法人向けのサービスでは産業医として健康経営に携わる。医師・経営者として、主に「Z世代」のメンタルケア・人的資本セミナーや企業講演の依頼も多数実施。


    > 近澤 徹 | Medi Face 医師起業家(Twitter)

    まとめ

    以上、ストレスチェックサービスについて、導入実績が多い企業、総合的アプローチ重視、コスパに優れたサービス、オプションが充実したサービス、大手グループ系など、特徴ごとに紹介しました。ストレスチェックは2028年から全事業場で義務化される見込みであり、事業規模や目的に合ったサービス選びが一層重要になります。費用や機能性に加え、サポート体制や職場改善への活用度も考慮することで、従業員の健康維持と組織の成長につなげられます。
    国内最大級のストレスチェックツール「ストレスチェッカー」は、官公庁や上場企業、大学、大規模病院など多様な現場で導入実績があり、未受検者への自動リマインド、リアルタイムの進捗確認、医師面接希望の収集など実務に即した機能を備えています。さらに2025年5月からは、無料プランやWEB代行プランでも「プレゼンティーイズム(体調不良や心理的負担による生産性低下)」の測定が可能となり、欠勤に至らない段階での課題も把握できます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

      :参照記事
      >メンタルブレイクのリスクを産業医が解説

      >心理的安全性のある職場とは?産業医解説

      >従業員の“心が疲れたサイン”への気づき

      >摂食障害の原因と治療(精神科医 監修)

      >朝起きられない社員への対応/産業医監修