ストレスチェックは何をすればいいの? ~ ストレスチェックの概要とポイント ~

国は、職場のメンタルヘルスに関する国の指針を提示し支援体制などの整備が進めてきました。そして、はストレスチェックが義務化されました。この改正労働安全衛生法のストレスチェック制度はどういった経緯で施行されたのでしょうか。

ストレスチェックが義務化

国は平成27年(2015年)から労働者のストレス状況を調査して面接指導などを実施するストレスチェック制度を義務づけました。
ストレスチェック制度は、労働者が早めに自身のストレスに気づきメンタルヘルス不調となることを未然に防止することを主な目的としています。

ストレスチェック施行の背景

近年、職場で高いストレスを感じている労働者の数が増え、精神障害の労災認定も併せて増加の一途をたどっています。
このような状況を踏まえ、平成22年(2010年)4月、当時の長妻昭厚生労働大臣が企業の行う健康診断で精神疾患に関する検査を義務づける方針を示し、労働安全衛生法改正の検討を始めました。厚生労働省の検討会では、ストレスチェックを「労働者のストレスへの気づきを促すとともに、職場環境の改善につなげる」枠組みと整理し、対策の方向性を検討してきました。
平成26年(2014年)6月25日には、改正労働安全衛生法が交付され、ストレスチェックの実施が義務づけられたのです。

ストレスチェック制度の概要とポイント

ストレスチェック制度が義務化されたといっても、「ストレスチェックって何?」「チェックするだけでいいの?」など疑問点や不明点も多いのではないでしょうか。
そこで、ここではストレスチェック制度の概要とポイントを簡単にご紹介します。

(1)対象は労働者が50人以上いる事業場

ストレスチェック制度の対象は、労働者が50人以上いる事業場です。労働者が50人以上いる事業所では、全ての労働者(※1)に対して毎年1回ストレスチェックを実施することが事業者に義務づけられています。
「事業場」ですから企業全体で50名を超えていても、営業所や工場、支店などの事業場がそれぞれお50人未満であれば対象とはなりません。

※1 「常時使用する労働者」とは、契約期間が1年未満の労働者や労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。
つまり、以下の①と②の要件をいずれも満たす労働者のことをいいます。

期間の定めのない労働契約により使用される者(契約期間が1年以上の者、ならびに契約更新によって1年以上雇用されることが予想される者、および1年以上引き続き使用される者を含む)であること。
週の労働時間数が東海事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であること。

(2)実施者は医師・保健師等

ストレスチェックは、医師、保健師または厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師、精神保健福祉士などが実施します。

(3)ストレスチェックの結果の管理

ストレスチェックの結果は、労働者の同意がなければ事業者に提供することができません。
また、事業者は労働者本人の同意を得て取得したストレスチェックの結果を5年間保存する義務があります。

(4)高ストレス者には医師が面接指導

ストレスの高い従業員から申し出があった場合、医師による面接指導が必要です。
また、ストレスチェックの通知を受けた労働者のうち面接指導を受ける必要があると実施者が認めた労働者から申し出があった場合にも、面接指導を実施します。

(5)働き方への配慮が必要になることも

面接指導の結果、医師から必要があると認められた労働者に対して、事業者(会社)は作業の転換や労働時間の短縮、その他適切な就業上の措置を講じなければなりません。

(6)実施状況は労働基準監督署に報告

事業者は、ストレスチェックと面接指導の実施状況を労働基準監督署に報告する必要があります(労働安全衛生法100条)。
なお、ストレスチェック制度が義務化されたといってもとくに罰則はありません。しかし、事業者にとっては安全配慮義務違反とみなされる可能性があります。そしてメンタルヘルス不調が発生して損害賠償責任を負う可能性もあります。

厚労省のマニュアル・リーフレット

ストレスチェック実施の詳細については、厚生労働省のサイト「こころの耳」に「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」が公開されています。また、実施マニュアルだけでなく、社内広報用のツールも開発されて公開されていますので、是非活用していきましょう。

▶ 厚生労働省「こころの耳」

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